2022年11月24日のハイパー縁側@天満橋は、まつもとたまきさんをゲストにお迎えしました!
テーマは「天満橋の穴場 八軒家浜の楽しみ講座」

本日のハイパー縁側@天満橋は、いつもの会場である京阪シティーモールを飛び出して、八軒家浜の大階段を使った広場「だんだん8(エイト)」からお届けです。

『川の駅はちけんや』に事務所を構える、大阪水上バスにお勤めのまつもとさん。大川を運行するクルーズ船の会社で、企画宣伝部に属し、イベントクルーズの企画や広報を担当しています。また、水辺の賑わい創出事業にも携わり、『川の駅はちけんや』を拠点に八軒家浜に賑わいをもたらすべく活動中で、11月に登場した「だんだん8」もそのひとつの企画です。

「だんだん8」に腰をかけ、秋の景色に囲まれて、川を眺めながらスタートです!水上と陸上、両方から盛り上げたいと話すまつもとさんは、「おもしろいことはできないか」と常に考えている、と言います。陸上では、様々な種類のイベントが開催されているので、それを水上で実施できるように企画することも。

例えば、毎年10月に行われる「北大江たそがれコンサート」では、北大江公園や八軒家浜での演奏に加えて、大阪水上バスが運行する「ひまわり船」の船上でコンサートを実施。黄昏時に運行したので、まさに「たそがれコンサート」。「手前味噌ですが、かなりよかったです!」と、笑顔で語ります。船上のお客さんはもちろんのこと、川辺でもお客さんが手拍子したり、手を振ったり、とても盛り上がりました。

クルーズ船が通る時に、船からも陸からも、手を振り合う姿が天満橋の日常風景。全く面識のない人同士が、自然と笑顔になって手を振り合うことで、水上と陸上の繋がりを感じる、とまつもとさんは話します。

ちょうどアクアライナーの運行時間と重なり、笑顔で手を振るまつもとさん。船のスタッフやお客さんも振り返してくれます。八軒家浜から手を振る場合、灯篭を過ぎたあたりで振るのがポイントだそう。

まつもとさんは、兵庫県ご出身。就職を機に大阪で暮らすことになりましたが、前職の時は特に川辺に興味はなかったそう。9年前、たまたまアルバイトとして、大阪水上バスに関わることになり、そこから1日の大半を川辺で過ごすようになります。空を見上げ、風を浴び、鳥の声を聴き、川を眺める毎日。「桜の時期やな、新緑の時期やなと、四季をちゃんと感じて生きるようになったのは、この仕事を始めてから」と、実感しています。

歴史的にみても、川と共に発展してきた大阪。大阪人の潜在意識として、川に親しみを持っているのかも、と話します。オフィス街も近いので、平日はサラリーマン、休日はファミリーの姿が多い八軒家浜。老若男女、地元の方、観光の方、様々な人々が行き交います。1本、道を入れば交通量が多いですが、ここは車も通りません。ただ、意外とこの場所を知らない人も多く、“穴場”だと、まつもとさんは言います。

“継続し続けることがまちの風景になる”

芝生をハイハイする赤ちゃんや、寝転がる子どもたち。パソコンを広げる学生。ランチ休憩のビジネスマン。その様子を見て、「長年の夢が叶い、ニマニマします」と、笑います。イベント時などの賑わいとはまた別の、今までに見たことのない八軒家浜の風景に衝撃を受けた、と言うまつもとさん。みなさんのアイデアや協力のおかげ、と話します。

また、「だんだん8(エイト)」ができる前は、ゴミ問題に頭を悩ませていたそう。タバコの吸い殻などのゴミのポイ捨てが多く、まつもとさんや地域の方たちで掃除をしていました。しかし、「だんだん8(エイト)」ができてからは、ポイ捨てがほぼ無くなった、と言います。通常、利用者が増えると、それに比例してゴミの量も増えそうですが、居心地がいいこの場所を綺麗に保ちたいという気持ちをもってくれているのかな、と感じています。

2019年に始まった「はちけんやたいそう」にも関わっているまつもとさん。大川の上流では、おじいちゃんおばあちゃんが、ラジカセを持参してラジオ体操をする姿がありました。「この川辺の使い方、いいなぁ」という想いから、八軒家浜でもやってみたい!と、水都大阪で知り合った吉城さんや、生活ヨガ研究所の珠数さんらと、はちけんやらしい体操を考案。

そして、毎週水曜の8時半から「はちけんやたいそう」がスタート。最初の半年間、集まるのは、まつもとさんら数人だけ。しかし、継続していくと少しずつ人が集まり、人が人を呼び、今ではまちの風景になっています。「1人でしていたら、心が折れていました」と、振り返ります。

8時に体操の看板を出すと、対岸に住んでいる方は、それを確認してから来てくれるそう。「今日、看板出すの遅かったでー」「ちょっと寝坊したんです」という会話も生まれます。顔見知りが増えたり、近所の人同士が挨拶できるような状況を願っていたまつもとさん。人と人が繋がるきっかけになり、まちの基礎体温を上げ、まちが元気になっていきます。ただ、「体操の人やねー」と声をかけてもらうことも増え、「どこで見られているか分からないから、気が抜けないです」と、笑います。

11月26、27日は、第1回『はちけんや紅葉フェスタ』を開催予定。マルシェやクルーズ、ライブパフォーマンスなど盛りだくさんの内容です。焚き火企画や、あんどん作りワークショップも。また、「だんだん8」に作ったあんどんが並び、優しいあかりの灯る、夜の八軒家浜の風景も楽しめます。

まつもとさんは、川の流れに身を任せながらも、然るべき時に、仲間たちと思い描く八軒家浜を、着実に作り上げてきました。クルーズ船が通る度に、ちょっとトークを中断して、最高の笑顔で手を振るまつもとさん。八軒家浜への愛情と、誇りに満ちた笑顔が印象的でした!

「今後も、色々な人に使っていただきたい」と、話します。チャレンジしたいことや、アイデアをお持ちの方は、ぜひ『川の駅はちけんや』へ。これからも魅力を増す八軒家浜に注目したいですね!

【まつもと たまき】
「八軒家浜」水辺の賑わい創出事業事務局 / 大阪水上バス株式会社 企画宣伝部 主任
大阪水上バスという船の会社に所属しながら、
天満橋駅のすぐ横を流れる大川の川沿いにある
「八軒家浜」で、水陸相互の賑わい創りに取り組んでいます。
大阪水上バス