2021年12月10日のハイパー縁側@天満橋は、吉城 寿栄さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「天満橋ならではのソト空間の楽しみ方」

水の都大阪の魅力の発信するのがお仕事だという、水都大阪コンソーシアムの吉城さん。2017年に水都大阪コンソーシアムが作成したポスターには“あなたの知らない大阪へ”の文字と共に、天満橋の夜の美しい風景が載っています。

大阪と言えば、道頓堀や大阪城などを思い浮かべる方が多いですが、天満橋は大阪を代表する都市景観だと吉城さんは言い切ります。
天満橋は知れば知るほど、ポテンシャルがあるのではないかと話します。国内には福岡など水辺都市はありますが、天満橋は高層ビルが密集していたり、夜景だけでなく朝日も夕日も見渡せるところが、他の都市にはない魅力だと話します。

吉城さんは、山と海が近い神戸出身。港町神戸では、年越しには除夜の鐘ではなく、船の汽笛の音が聞こえてくるそう。そんな吉城さん、学生時代にJRが民営化して、利便性が上がり生活が変貌したことを目の当たりにして、鉄道会社はすごいパワーを持っていると実感されました。

また、祖母からは“寿栄”の名前は駅と関わりを持つと運が開けるという意味合いもある、と聞いた事があり大学卒業後に京阪電車に入社。当初は電車の運転手になりたかったそうですが、本社の宣伝課で沿線情報誌の編集などを担当していました。

その後、統計担当となり輸送人員の分析をしたり、中之島新線の調査や庭園施設「ガーデンミュージアム比叡」の全体運営など様々な業務に関わり、幅広く活躍。
大阪21世紀協会では水辺担当となり、水上でカフェの運営をされていたそう。そして、現在は官民連携の水都大阪コンソーシアムに出向して約5年。天満橋界隈の水辺を舞台に、春夏秋冬それぞれの季節や景色を感じられるイベントを開催されてきました。

今回は、写真と一緒にイベントの数々を紹介して下さいました!
桜の時期は川沿いにベンチや机を用意し、対岸の桜をゆっくり見られるように川辺で過ごす空間を演出したり、円形のサップに乗り、サップ上でお茶をたてるイベントも開催。

暑い時期はクルーズ船に乗り、夕焼けや夜景を見ながらたこ焼きとビールを楽しむ「たこ焼きバー」を開催して、サラリーマンに大ウケ。寒い時期には船やサップにこたつを用意してお餅を焼いたり、外国人留学生にサップ上でこたつとみかんを体験してもらうというイベントも開きました。

“天満橋・愛”

吉城さんは、水上に浮かぶだけでワクワクすると語ります。そして、“自分が楽しくないものは人に体験いただくわけにいかない”という考えのもと、「天満橋をいかに愛し、様々なことに取り組んできたかをアピールしたい!」と次々にバラエティーに富んだイベントを紹介して下さいました。

文化度の高い天満橋ならではのクラシックコンサートの開催や、将棋大会と併せて蕎麦や日本酒を提供する和風イベントなども行いました。今後やってみたいイベントは、西方浄土の思想を体現するような巨大な蓮の花を水上に浮かべ、蓮の間を小舟で通りながら夕日を拝み極楽感を感じてもらいたい!との事。

また、歴史的に見ても天満橋は船のターミナルであり、様々な物資や食料の集積地でもあります。水と食を掛け合わせたイベントもやりたい!と妄想は膨らみます。
コロナ前は、一度に大勢の人数で開催するイベントも多くありましたが、コロナ後はイベントのやり方も変わったと吉城さんは話します。

水都大阪の水辺に元気を取り戻すべく、あの巨大アヒル“ラバーダック”も八軒屋浜(2020年8月)やほたるまち(2021年12月)に登場しました。先日は水辺で気球をあげるイベントも開催されたそうです。
とても大きなサイズの気球やラバーダックは、離れた場所から見たり写真を撮ってsnsで拡散する楽しみ方もできるのでこの時代にマッチしている、と吉城さんは言います。

コロナ禍で外国人観光客がクルーズ船などを利用していた姿が見られなくなった今、昔の人が舟遊びをしていたように地元の方が水辺を楽しむ風景が復活し、「春夏秋冬、舟遊びをしないと気がおさまらない!」となるような習慣ができたらいいなと語ります。

「妄想は飲みながら」と笑顔の吉城さん。
吉城さんの妄想を形にする実行力にも驚かされますが、何よりも水辺を愛し、自ら楽しむパワーに圧倒されました!

こんな時代だからこそ、水辺の魅力や可能性を再認識し、吉城さんとご一緒に天満橋の水辺を思いっきり楽しみたいですね!

【吉城 寿栄】
水都大阪コンソーシアム
大学卒業後、京阪電気鉄道株式会社(現・京阪ホールディングス株式会社)入社。
事業部宣伝課、鉄道企画部、ガーデンミュージアム比叡、大阪21世紀協会、京阪電車開業百周年事業、観光担当、事業推進担当等を経て、2016年水都大阪パートナーズに出向(2017年に水都大阪コンソーシアムに名称変更)、現在に至る。
現職では、かつて水運で日本一栄えた大阪の街を水の都として復活させることで大阪の魅力を国内外に発信し、賑わいを創出する事業を行う。
特に天満橋から中之島を見る景観を、大阪を代表する景観として世間に認識されるように活動している。
「あたらしい路上のつくり方」(影山裕樹編著)では、ケース3「駅を酒場に~京阪電車・中之島駅ホーム酒場」を執筆。
水都大阪