2022年11月11日のハイパー縁側は、田中雅人さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「Hope〜新時代のコミュ二ティ・ディベロップメント〜」

『ラフアウト』の帽子を被ってご登場の雅人さん。開始早々、会場のみなさんに「何を雅人にききたいですかー?」と尋ねます。「恋愛観がききたい!」と声もあがり、とてもラフな雰囲気でハイパー縁側が始まります。

以前は、イベント制作・プロデュース、企業のブランディング等をされていた雅人さん。現在は、東京をベースに3人の代表と『Any』という会社を運営。デベロッパーと都市開発のグランドビジョン・プランを作ったり、デザインやアート、先端の研究を混ぜた展覧会『Any Tokyo』を主催したり、様々なジャンルで事業を展開しています。

そして、今回はメタバース時代のデジタルサービスの会社と一緒に、開発プロデューサーを務めています。

福岡ご出身の雅人さんは、中津ときいて最初は大分県中津市を思い浮かべますが、地方が面白いと言われる現代で、大阪の中津のまちやコミュニティに興味が湧いたそう。
雅人さんは2ヶ月間、中津のまちと、人とふれあいます。中津について、「人と人とが密に繋がりながら、先に“現象”を起こしていこうとする、その為の繋がりを楽しんでいるまち」という印象を受けました。

地元の方だけではなく、世界を代表する方々も集まってくる。どちらがノウハウをもっているとかではない。どちらも魅力をもちながら融合している様をみて、憧れる部分がある、と雅人さん。「東京でも味わったことのない、ワクワク感がある」と、笑顔で話します。

また、日常から“楽しい”が溢れる不思議な場所で、まちのデザインとして、“人と人とが偶然出会う機能”が備わっている、と指摘します。まちの人々も優しいので、東京に戻るときには、切なさを感じる東京組もいるそう。
心で、フィーリングで、会話で、事業で繋がっている。「人とまちが、とにかく魅力的だ」と、称賛します。

今回、メタバースイベントを開催するにあたり、「隈研吾事務所・西田工業・東邦レオが主張する“大切なのは、まちづくり”という想いや関係性、“このエリアの人々が主役”というテーマ。そこに、ローカルでもインターナショナルでも、色々な経験をしてきた人が集い、様々な職業の人たちが融合して、まちづくりをしていこう、という考えに共感している。」と雅人さんは言います。

中津は、まちの人と常に繋がっているという大前提がある。それで現象が起きていくという事は、日本では類を見ないことで、ワクワクしていると話します。

“希望-Hope-”

雅人さんが仲間たちと何かしようとする時に必ず意識する事は、ポジティブな要素や前向きなものを創ること。『Any』の定義は、「人類のためのあらゆる希望を生み出す物事」としています。「短い人生の中で自分にできることはないか?」と考え、分野や常識など関係なく、様々で、それぞれであること。そして、色々なものが認められていく状態。それを、一言で可愛く言いたくて『Any』と表現します。さらに、それを“希望(Hope)”という言葉で表せる、と語ります。

中盤からはメタバースについての意見や、VR体験のお話を会場の皆さんに伺いました。
多様性教育に関わる内山さんからは、民族や性別の枠、空間を超えて体感できるメタバースに可能性を感じる一方、プライバシーの部分に懸念があるという意見も。

雅人さんも、事前にフィルタリングができず、仮想空間上を荒らしてしまう事は、どんどん起こりうる事だ、と言います。それは、リアルでも二次元でも起きていること。しかし、みんなが使えば使うほど、企業も投資して解決していく流れができていくのではないかと考え、そこに期待したいと話します。

西田ビルプロジェクトに参画している西田工業の城さんは、「メタバースの説明を聞いたときは、よく分かりませんでした」と、打ち明けます。
しかし、VR体験をすると、とても視野が広がったそう。言葉よりも何よりも、実体験することを推奨したい、と話します。

西田ビル2FでCQNの運営に携わる知子さんは、先日VRを体感。
マッターホルンの頂上から景色を見渡し、実際に行ってみたい気持ちになった、と言います。今後はリアルとデジタルが混合する未来が楽しみ、と感じています。

「知子さんと一緒にマッターホルンに登り、そこから飛んだんです!」とVR体験を語るうめらくの山田さん。足が不自由だったり、高齢でやりたくても出来ないような事が仮想空間上なら出来るようになる、と期待をしています。

ただ、簡単にできるコミュ二ティであるからこそ、逆に簡単に切れるコミュニティとも捉えられ、心のケアに関して心配がある、と言います。

雅人さんは、「仮想空間はラインやメールよりも身体性を感じるもの。制約を確認しながら、フレキシブルで自由なルールをグループごとに作るなどの必要がある。」と話します。

デジタルは万能ではないということは事実。リアルだけ・デジタルだけではなく、両方を行ったり来たりする事で、リアルとデジタルの融合が起こってくる。また、リアルでもシーンごとに使い分けをしているように、今後はデジタルでも様々なシーンを使い分けていくのではないか、とリアルとデジタルの未来について予測します。

トーク中、「いいですね」「素晴らしいですね」と何度も発し、常にポジティブに人の考えや想いを傾聴し続ける姿が印象的でした。
みなさんと話をしながら、考えが浮かんだり整ったり、それが新しいアイデアに行き着くプロセスになる気がする、と雅人さん。11月18日のオープニングイベントでも、色々と話をしながら新しいアイデアが生まれれば、と話します。

気がつくと、ゲストとファシリテーターの位置がチェンジしているという奇跡が!様々な考えが自由に飛び交う、活気溢れるハイパー縁側でした。
「おじさんが、ロマンチックな話をしちゃってごめんなさい」と、笑う雅人さん。アフター縁側でも、希望を感じるロマンチックな話は続きます!

【田中 雅人】
Any*inc. クリエイティブディレクター / ファウンダー
1980年福岡県に生まれる。日本で開催される創造の祭典「AnyTokyo」創設者。超融合型の新規事業創出を担う企業「Any」創業者。デジタルとリアルを超融合するメタバースカンパニー「O」ボードメンバー。日本の次世代映像アワード「MADD.」審査員。
近年は、異分野の思考を融合するノウハウを活かした都市再開発コンセプト創出、メタバースサービス事業創出、ベンチャー企業のインキュベーションなどを多く手がける。人類のためのあらゆる希望を生み出す物事を“Any*”と定義し、新分野・新領域における新価値の創造・発見・探究を続けている。
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