1月21日のハイパー縁側は、内山唯日さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「多様性を認め合える社会づくりと教育の役割~ヨーロッパのノンフォーマル教育~」

内山さんは中津に住んで2年になります。イタリアのローマで生まれ、大学までいた後に中国の厦門(アモイ)の大学院で人類学を勉強していました。

その最中、ヨーロッパで難民危機が起き、パリなどではテロ事件も起きました。その理由として、マイノリティの移民が社会に溶け込めなかったことが人類学でも挙げられるようになり、内山さんもテロに至らないようになにか方法がないかと考え始めました。

そして研究対象をローマに選び、移民・難民支援を行うNPOに入ってイタリア語を教えたりワークショップ、交流会を実施していました。

その活動を通じて感じたのは、マイノリティへの支援も大事だが、たとえ居場所があっても、社会に戻り普段の生活で受け入れられる場所がないことは変わらないということ。そこで多数派へのアプローチも必要だと考えるようになります。

その中で内山さんはノンフォーマル教育に出会い、研修を受けるようになります。
ノンフォーマル教育の特徴は、教師が全てを教えるものではなく、ファシリテーターがいて、参加者が中心となり参加者同士がディスカッションをする中で学ぶこと。テストの点数など結果ではなく、答えのない問いを考えるプロセスを大事にしています。

それを通じて演繹的に学習者自身が考え調べるなかで知識を得たり、様々なソフトスキルを身につけることができます。

その後内山さんは日本に来て、マイノリティの子どもたちに日本語教育を行っていました。すると多数派の理解・知識の面で、「この子どもたちが社会に出たときに住みやすい状態なのか?」と同じような問題意識を感じたそう。

そこで、ノンフォーマル教育を使って多数派の人も参加してもらえるような教育プログラムをつくりたいとBridge Projectを立ち上げました。

“一人ひとりが自分らしく幸せに暮らせるように”

内山さんがアプローチする多様性は、違う国、文化、宗教だけでなく、健康状態やセクシュアリティ、年代間のギャップなどすべてを含むもの。
「一人ひとりが自分らしく幸せに暮らせるように 多様性を認め合える社会へ」というミッションを掲げて、ノンフォーマル教育を使ったワークショップや異文化理解イベント、オンラインコミュニティづくり、教材開発などをしています。

ノンフォーマル教育は社会教育や個人的成長を目的としていて、子供だけでなく大人にも実施します。実際内山さんも、大学生以上の人にワークショップをすることの方が多いそう。

教育と聞くと、日本では情報・知識の伝授が中心になっており、勉強、強制されてやるものというイメージをもつ人も多いです。内山さんはある程度の知識を教えることは必要不可欠ですが、ノンフォーマル教育により批判的思考や感情知能、適応能力、チームワークなどのソフトスキルも身につける方法も取り入れていかないといけないと考えます。

ハイパー縁側でも、実際にワークショップを体験してみました!

性別や国籍と聞くと、グラデーションだとは頭では考えながらも、普段人に会い判断するときにはどうしてもカテゴリでの分類をしてしまいがち。

ですが異文化理解能力の中にある力の一つに、あいまいさを受け入れる能力があります。自分と違う文化や性別などをもった人たちと生活するには、ある程度あいまいさを受け入れられる方がいいとお話されました。

内山さんたちは定期的にコミュニティでオンライン・ディスカッションをしているので、興味ある方はいつでも入れるそうです。次は内と外の人がグラデーションで混ざり合うハイパー縁側で、フォーラムシアターのワークショップをするのもいいですね!

【内山 唯日(Uchiyama Yuika Aurora)】
Bridge Project 代表
多様性教育ファシリテーター / 教育アドバイザー / 日本語教師
1991年ローマ生まれ。
イタリアと日本のルーツを持ち、ローマ・ラ・サピエンツァ大学で東アジアの言語と文化を学んだ後、中国の廈門大学大学院にて人類学の修士号取得。専門は移民人類学、宗教人類学、応用人類学。
ローマにて移民・難民の受け入れを行うNPOでフィールドワークを実施し、移民の適応過程におけるNPOの役割を研究する。
その際、マイノリティの支援やサポートは重要ではあるものの、マジョリティに対して啓発活動を行わない限り、平等で寛容な社会にはならないということを実感する。
その為、イタリアやドイツで多様性教育及びノンフォーマル教育のトレーニングを受ける。
2019年に来日し、教育関係の仕事やグランフロント大阪にあるナレッジキャピタルにて人と人を繋げることを専門とするコミュニケーターを務める。
外国ルーツの子どもに日本語を教えるようになると、イタリア同様マジョリティ向けの多様性教育が不足していることに気づき、2020年12月にBridge Projectを立ち上げる。
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