2023年3月16日のハイパー縁側は、岡本栄理さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「“共創”がライフワークになったサラリーパーソンのはなし」
ビールは得意じゃないという岡本さんですが、「このビールおいしいですね!」と、嬉しそうに口にします。しばらくビール談議をした後、ハイパー縁側スタートです!
岡本さんは、オフィス家具メーカーの株式会社オカムラに所属。現在は、「Open Innovation Biotope “bee” 」という共創空間のコミュニティマネージャーを務め、“共創”を生み出すことが仕事と言います。オフィス家具の会社であり、延いては「働くこと」を良くしていく会社でありたい、との想いから「働くこと」に関することを中心にイベントを開催しています。
大阪市ご出身の岡本さんは、関西学院大学に進学しますが第一志望の大学ではなく、専攻していた社会学にもさほど興味はなかったそう。就職活動期にインテリアに興味があり、相談した先輩の勧めで何となく今の会社に入社します。
最初の2年間は経理の仕事に従事しますが、周りとコミュニケーションも取れずに、ただただ数字を処理する日々。何を目的にすればいいかも分からず、辛い時期だったと話します。そんな、やる気のない20代前半を過ごしたという岡本さん。「実家の和菓子屋の手伝いでもしようかな・・・」と考え始めた頃、京都支店への異動が決まります。
京都支店では経理だけではなく、営業アシスタントもすることに。そこで、営業職の皆様の役に立ち、人の為に仕事をする喜びを感じます。様々な人が色々なプロセスで関わり、仕事が回っていく。ようやくオカムラという会社が理解できた、と言います。
また、上司に言われたことは「仕事は楽しくないとあかん」ということ。仕事では、みんなで目標に向かって走り達成する一体感を味わい、飲み会では仕事の話題は一切なしで楽しみ、とても充実していました。当時は、営業の皆様を助ける“縁の下の力持ち”が自分の性分だと感じていました。
そんな岡本さん、2017年に突然、支社長の秘書を務めることになります。さらに、秘書を始めて3ヶ月後には、WORK MILLのコミュニティ・マネージャーも兼務することに。秘書業務は会社で支社長のサポートをするのに対し、コミュニティ・マネージャーの仕事は社外に出て、新たな人との繋がりを求められます。「秘書経験もないし、コミュニティ・マネージャーって何やねん!」と、引っ張り合う仕事内容に脳をどう切り替えていいか分からず混乱していた、と振り返ります。
それまでは、仕事は下りてくるものだと思っていた岡本さん。コミュニティ・マネージャーになると、メンバーもコンセプトも自分で決断しなければなりません。自分で仕事を決めたこともなければ、自分の言葉に何の力もないと思っていた岡本さんは、与えられた“自由”が怖かったと言います。
「とにかくやるしかない!」と覚悟を決め、必死のパッチで始めた岡本さん。部署もバラバラでしたが、気持ち良く働けるメンバーを選出しスタートしました。
しかし、何もかも初めての経験。レイアウトやスケジュールは事細かに組み、イベントで司会をする時にはパソコンに一言一句を書き出して、標準語で話していたそう。そこで、パソコンが故障して用意していた文章を読めず、頭が真っ白になった経験も。「超絶恥ずかしい失敗も、数知れずしてきました」と、打ち明けます。
そんな中、「細かくやっても、何もおもしろくない!」とアドバイスをされ、予定調和は楽しくないと気づいた岡本さん。“共創”はオーケストラではなくジャズセッションだ、と言います。ただ、ジャズセッションは危険もはらみ、イベント中にもめにもめたことも。悲壮な表情の岡本さんが写るイベント写真もご披露。
岡本さんは、「カオスになることを、自分に許さないとダメ」と語ります。そんな辛く苦い経験を経て結果的に鍛えられた、と岡本さん。準備は十分にした上で、「何でもござれ」とジャズセッションを楽しめる境地に至るまでは数年かかった、と話します。「今日のトークセッションも、ビールのくだりから入るとは思いませんでした」と、笑います。
イベントを重ね、経験や人徳を積んできましたが、コロナ禍ではリアルに集うことができなくなりました。当初、岡本さんはオンラインについて否定派。しかし、「“bee”で培ってきたものを、途絶えさせたらあかん」と周りの人にも言われ、オンラインに振り切ることを決断します。始めてみると、オンラインに慣れているメンバーも多数いて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
そこで、「楽しんでやっているときが、生産性が高くクオリティも高いことに気づいちゃったんです」と、語ります。そこから、「むちゃくちゃな数やりました!」と、アグレッシブに楽しく活動していきます。そのうちに、オフィスのレイアウト変更をする予定の会社が「岡本さんがしていること面白いし、オカムラさんに全部頼むわ」と、意図せずに受注も舞い込んでくるようになりました。岡本さんが自由に楽しく動き回ることが、会社にとってもプラスに働いています。
“遊び心”
岡本さんは、「遊んでいるわけではなく、“遊び心”をもって仕事をしています」と、笑顔で話します。そんな岡本さんが現在はまっていることは、「万博」。普段では繋がることができない人と、「万博」をキーワードに繋がることができている、と言います。
岡本太郎が好きな人、大阪人として万博がすべることを許さないと感じている人、岡本さんのように企業として万博に関わる人、様々な人たちとの繋がりを楽しんでいます。
『EXPO酒場』は大阪・関西万博をきっかけに、まちを盛り上げたり、夢に挑戦する機会を作りたいという思いで、大阪・関西万博を楽しみたい人が集う拠点。大阪でこの火を広げるには中津の力が必要と感じた岡本さんは、山田さんに声をかけ、2022年に中津でも『EXPO酒場 ほぼうめきた店 -中津万博×demo!expo-』を開催しました。
中津のまちは隣の梅田とのコントラストが面白く、肩書きとか役職とか関係なく、人として大事なことを思い出させてくれるまち、と話します。中津のまちに融合するのではなく、合流していきたいと考えています。
中津の『EXPO酒場』はとても楽しかっただけでなく、他エリアの人たちに「中津ってかっこいいって思える機会になったのが良かった」、と岡本さんは言います。そして、ここはまさに“共創”の場だと指摘します。
最後に、「ワクワクすることに責任感をもちたい」と語る岡本さん。ワクワクすることの中に、自分がするべきことが隠れている。ただ、そこにはもちろん苦労もあるけれど、それを上回る楽しさに触れたら自分の能力や人への感謝が爆発して、新しいことが生み出せるのではないか、と考えています。
遊びながら、ワクワクしながら業をこなすということが、結果的にライフワークになる。それぞれの立場で、そんな気持ちで向き合えたら、日本はもっと明るくなり底力が出せるのではないかと本気で思っている、と熱く軽やかに語って下さいました!
株式会社オカムラ 関西支社 マーケティング部 マーケティング推進室 / Open Innovation Biotope “bee” コミュニティマネージャー大学で社会学を学ぶ。株式会社オカムラでは経理、営業事務・秘書業務を経て2017年6月より現職。
社内研修の企画・運営をする傍ら、Open Innovation Biotope “bee”において社内外をつなぐ様々なイベントの企画・運営を担当。
共創がライフワークのdemo!expo事務局メンバー、大阪大学キャリアセンター招へい教員。
株式会社オカムラ
WORK MILL
Open Innovation Biotope “bee”
demo!expo
TEAM EXPO 2025
Expo2025 大阪・関西万博
オカムラがつなぐ共創の輪 共創空間bee コミュニティマネージャーの挑戦