2023年3月7日のハイパー縁側は、高松明弘さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「奈良をもっとおもしろく~これからの20年を創る~」

高松さんは現在、奈良市役所で広報を担当しています。奈良出身で、一度名古屋に出た後、Uターンで戻ってきました。もともと民間の教育ベンチャーでサラリーマン、そして数学教師の経験を経て、公務員を8年間しています。

学校で教えていると、教え子が就職で次々県外に出てしまっていたと話します。その割合が、奈良は当時全国トップクラスに多かったそう(今は大きく改善)。教育でまちを良くしたいと働いていましたが、このままやっていても難しい。これに対して自治体が果たす役割は大きいのではと考え、転職しました。

転職後は8年間広報に携わっています。どう奈良の魅力を伝えて来てもらい、できれば住んで、新しいチャレンジをしてもらえるか、考えながらプロモーションをしています。

取り組みの内容としては、奈良の食でもっと思い当たることを増やそうと、例えばめちゃくちゃ甘い奈良のブランドいちご「古都香(ことか)」を紹介したり。また、日本酒もルーツは奈良で、食のルーツを辿ると奈良になることが多いそうです!

奈良は優秀な人が多く、東大京大の現役合格者の割合が全国トップだそうですが、優秀すぎるがゆえに県外・海外に出てしまう人も多いと話します。なので遣唐使のように一旦海外で経験を積んで、また帰ってくる。もしくは渡来人型で直接奈良に来て知識を生かしてくれる人が増えたらいいと考えています!

また、奈良には14年後リニアの新駅もできる予定で、東京からは1時間でアクセスができるようになります。そうしたら状況も変わり、もう一度奈良時代がくるかもしれない、と笑います。奈良は災害が少なく安定していて、地形も平地で自転車でも移動しやすい魅力もあります。

このような魅力も、高松さんは一度外に出て30代ぐらいになってから分かってきたと話します。地元の良さを知るには、出ざるを得ないのかもしれないとも感じています。

“奈良の魅力を集めて編む”

そんな想いを持ちながら、市役所の仕事とは別のプライベートな活動として立ち上げたのが「編集奈良」。市役所だけではなかなかできない各お店の紹介などを、民間の力を借りて情報発信しようとチームをつくりました。情報発信・ラジオ番組・大学生チームなど、複数のプロジェクトに分かれて、職種も様々な有志のメンバーが集まり活動しています。

他にも、公園や商店街にある公共のスペースを市民が自由にお試し利用できる取り組みや、お試し移住をサポートしたり。奈良駅にデジタルサイネージも整備して告知をしたりしています。様々なチャレンジがしやすいことを大事にしています。

機運が高まっていくと、コミュニティごとの連携も進んでいきます。その一環として、20枚のスライドを20秒ごとで短いプレゼンをしてもらう「ペチャクチャナイト奈良」を、県内の39市町村を回りながら開催しています!1時間で8組ほどの人によるプレゼンを通じて、各地域の良さや共通点・一緒にやれることがたくさん見つかっています。

また奈良市内には大学生が16,000人もいるので、大学生がもっと地域の経営者や働いている人と議論したり、まちでプロジェクトをしたり、会社をつくってみる経験ができるといいなと、その活動を応援する仕組みづくりも、今温めています。

奈良市役所では職員の仕事も変わってきて、自動化・デジタル化も進み、人がやるべき仕事に時間を割く動きになっています。中途採用の年齢枠も上がり、可能性が広がっています。今後、様々な自治体で“やってみよう”と思う人は増えるのではないかと感じています!

奈良というと、落ち着いた歴史的なまちのイメージがあり、距離感が遠い印象の人も多いかもしれません。ですが、奈良時代の大仏ができた当時は、すごいことが起こっていた時代。言葉もわからない外の人が入ってきてすごい美術品が作られ、ダイナミックなイノベーションが起きていたのが奈良の原点です。

来年度の抱負として、ここ奈良を今後の関西万博やリニア新駅とも関わりをもたせながら、人がトライしやすく、トライしたくなるまちを、地域の人とつくっていきたいとお話されました!
これまでの型にとらわれず、官民双方の視点をもって奈良を活発にしていく高松さんの今後の活動が楽しみです!

【高松 明弘】
奈良市秘書広報課シティープロモーション係長 / 編集奈良 代表 / EXPO酒場奈良店 店長
1981年奈良県奈良市生まれ。
会社員、数学教師を経て、全国の地方都市共通の課題である転出超過の改善に取り組みたいと思い、2015年奈良市職員に。
情報発信が重要だと考え取り組んだ動画広報では、奈良市公式YouTubeチャンネルが登録者数1万人を突破。移住支援にも取り組み「オンライン移住相談」や観光地の利点を活かし宿泊施設と連携した「お試し移住支援制度」をスタート。
ユニークな店舗や企業が増え、子育て支援制度・教育環境が充実していることもあり、2019年からは転出者より転入者の方が多い「転入超過」に転換。2022年の年少人口(0〜14歳)の転入超過数では関西1位・全国12位に。
プライベートでも地域活動に取り組んでおり、情報発信を軸とした地域活性化プロジェクト「編集奈良」の代表を務め、社会人・学生・地域住民で連携した課題解決に取り組む。
立場を超えてガチ議論する「奈良未来会議」、20秒×20枚のスライドでプレゼンする「ペチャクチャナイト奈良」、ラジオ番組やSNSで奈良の最新情報を届ける「ならマガ!プロジェクト」、2025年大阪・関西万博を楽しむ人が集う拠点「EXPO酒場 奈良店」などを運営。
その他、まちづくり団体の事務局長や地元の自治会長を務める。
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