2022年4月3日(日)のハイパー縁側@天満橋は、岸本知子さんと玉登ゆかりさんをゲストにお迎えしました!
テーマは「アートがもたらす天満橋の魅力」
本日も、4月2日(土)に続いて「ハイパー縁側フェス@天満橋」2日目の特別トークセッションです。

Vol.5のゲストの玉登さんと、Vol.7のゲストの岸本さんは初対面だそうで、クラフトビールで乾杯をしてご機嫌にスタート!まずは自己紹介から。「たまちゃんでーす!」と挨拶して下さった玉登さんは、幼稚園や小学校などで、“アートで心づくり”を広げる活動をされています。

また、中之島周辺で、一般募集作品やアーティスト作品を展示し、誰でもアートに触れられる、駅からはじまるアートイベント「キテミテ中之島」を開催。“アートで心を動かしたら、まちが良くなるのではないか”、と企んで11年になると話します。
本日はのし袋で鯛を作り、「みおつくしの鐘」に変身させるワークショップを実施。子どもも大人も、思い思いにのし袋に鯛を描きます。集まった鯛で、スイミーのようにひとつの鐘を作り上げ、市役所に展示されるそうです。

岸本さんは、毎年10月に1週間行われる「北大江たそがれコンサート」の実行委員を務めます。本日は雨の為、屋上で予定していたヴァイオリンコンサートを、8階レストスペースにて開催。マイクを通さないヴァイオリンの生音を楽しむことができ、大盛況でした!

今年で17年目になる「北大江たそがれコンサート」は、八軒家浜でオープニングをし、北大江公園でフィナーレを迎えます。子どもからお年寄り・観光客まで、ジャンルや言葉は関係なく、誰もが音楽を楽しむことができます。
いつもの公園やまちがコンサート会場となる「北大江たそがれコンサート」。日常の空間を非日常の空間にし、まちの人々をびっくりさせる、そんなしかけを作りたいと岸本さんは語ります。

玉登さん達主催の「キテミテ中之島」も2ヶ月ほどの期間、駅や市役所などあらゆる場所にアートを展示。無料なので、好きな時に好きなだけアートを楽しむことが出来ます。日常が幸せであることや日常をいかに楽しめるかが大切だ、と玉登さんは話します。
お二人の共通点は公園や駅などの公共空間を演出し、誰もが楽しめる場にしていること。

しかし、岸本さんは公共空間である公園で音楽を奏でるというのは、当初ハードルが高かったと話します。来場者にはちゃんと聴こえないといけないけれど、周りにはたくさんのビルがあり、大きな音は迷惑になってしまいます。しかも、数人規模の演奏ではなく「オーケストラをしよう」と呟いた方がいたそう。そうなると、乗り越えなければならない壁も高くなります。

ただ、突拍子もないアイデアを言う人がいることで、それを何とか実現する為に努力や工夫を重ね、突破していくことができる、と岸本さんは言います。そして、「北大江たそがれコンサート」があるから天満橋に移住したい!というファンが生まれるような、17年も続くまちの景色になっています。

玉登さんは駅や市役所などの建物だけでなく、乗り物である電車を貸し切りにしてコンサートやワークショップを開催した経験も。京阪電車は川沿いを走っているので景色も楽しめる、と笑顔で話します。今後、岸本さんも、道路でパレードを開催したり、船の上でオーケストラが演奏できたら面白い!と、次々とアイデアを語って下さいました。

“繋がり”

水が流れるところには花が咲き、実がなる。そして、人が集まり文化ができていく。川があり、そこに素敵な音楽が流れていて素敵な人が集う事が、人の生活を豊かにする事であり、繋がって続いていくことだと、玉登さんは考えます。中之島や天満橋界隈は「藤田美術館」や、最近オープンした「こども本の森」などの文化施設も集まっていて、まちづくり活動やイベントも盛ん。それらが一体となり、川で繋がっているのが興味深い、と岸本さんも川とアートの関係を語ります。

天満橋にいても、他の活動をしている方の事は知っているようで知らない、というお二人。このように会える機会は貴重であり、ハイパー縁側は繋がるきっかけになっている、と話して下さいました。
また、知らない人に声をかけるのは難しくても、アートや音楽を通じてなら「これ見て見て!」「聴いて聴いて!」と、気持ちを共有しやすく、人と人を繋ぐことができると玉登さんは言います。

コロナウイルスが蔓延し、戦争が勃発してしまっている世界。こんな時だからこそ、生の声がききたい・人と繋がりたいと思う気持ちはとても大事だ、と玉登さん。誰かが誰かをちょっと支えることができるのではないか、そのひとつがアートなんだと考えます。

描いたり作ったりすることだけがアートではなく、音を響かせたり話をしたりするような日常もアートだと言います。そんな日常の中から人を支えていけるのでは?と提案して下さいました。

アートやコミュニティの行く先には、平和な世界が待っていて欲しい。お二人のお話を聞いていると、「アートがもつ、人を繋ぎ、支える事が出来るパワーを信じ、ここ天満橋から平和を発信できたら・・・」、そう願いたくなる特別なトークセッションとなりました。

【岸本 知子】
北大江たそがれコンサート実行委員会
2006年、長年の北大江公園周辺の方々の公園に対する活動が実り、天満橋駅近所の北大江公園がリニューアルオープン。
それを記念して公園にて音楽会を開催。
開催後、地域に集まる弦楽器店&工房を中心に、住民、企業、店舗、演奏者、町会とまちづくり実行委員会が協力してチームを作り、毎年秋に「北大江たそがれコンサートweek」を1週間開催。2021年で16回目を迎えます。
今年は昨年同様、コロナウイルスの影響により、北大江公園の野外オーケストラなど大規模な企画は延期となりましたが、代わりの特別企画として、期間中毎日17時から30分、街と空に向けて音楽を届ける「Music for Stars」や、音を実際に体験する「音の学校」など新たな企画も登場します。
北大江たそがれコンサート オフィシャルサイト

【玉登 ゆかり】
DESIGN DOT / キテミテ中之島 企画:コーディネーター
◆略歴
1962年 兵庫県出身
1983年 奈良芸術短期大学専攻科卒業
1986年 デザインDOT入社
1999年 ドットアートコスモ右脳の洗脳ギャラリーを設立
現在は10年目を迎える“キテミテ中之島”のコーディネーターとして、まちの元気を発信中!
DESIGN DOT
駅からはじまるアートイベント「キテミテ中之島2021」