2022年4月15日のハイパー縁側は、中野草太さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「共につくり共に育てる公園~うめきた外庭SQUAREでの実践からみる公園の未来像~」

中野さんは福岡県福岡市のご出身。高校生までは福岡で暮らし、大学生になると同時に大阪に出てきました。大学中はよさこいサークルに所属し、全国各地のお祭りを鳴子片手に駆け巡っていたと話します。
そんな中野さんは現在、阪急阪神不動産にて2024年に街びらきを控える大阪で最大規模の都市開発プロジェクト“うめきた2期地区開発”に携わっています。

もともと都市開発に興味を持ったのは、大学時代の頃でした。経済学部で経済地理学を専攻し、都心の地理と街づくり、そして地域の活性化について学んでいたそうです。街に携わる不動産の中でも社会的影響力の大きな鉄道インフラや商業施設関連の仕事がしたいと思い、現在の会社を選んだと話します。

入社後、商業施設の開発・リニューアルを担当して4年が経った頃、次の道に進むチャンスが巡ってきました。学部の卒論テーマでもあった“うめきた2期地区開発プロジェクト”への興味がどんどんと湧いてきて、飲み会のたびに上司に「うめきた2期やりたいんですよ」と熱を伝えていたそうです(笑)。
熱い想いが叶い、満を持して、うめきた2期地区開発の公園・エリアマネジメントの計画推進業務、うめきた外庭SQUAREの運営管理業務を担当する事になりました。

うめきた外庭SQUAREは、梅田スカイビルのふもとにある約2,300㎡の広場。“「みどり」のリビングラボ”をコンセプトに、地域の方々や協力企業等とともに取り組む未来のまちづくりの実証実験場です。
2年前、オープンしたばかりの頃は通りゆく人々が首をかしげながら「この一面の芝生はなんだろう?」と素通りをしていくような状況だったと話します。

通り過ぎる人々のリアクションを見ながら、地域の皆様に利用して頂ける場所を目指して毎日、試行錯誤を繰り返しました。今では人がつどい、日々新たなモノコトが生み出される場所になっています。

うめきた外庭SQUAREを運営していく中で大事にしていたことは、「利用者⇔管理者」という関係ではなく、この場に集う人全員がオープンで、対等な立場であるという事です。
日本の公園は管理者がルールを決め、NG事項ばかりになっている所が多く見受けられます。安全ばかりにこだわり過ぎず、様々な考えの人が歩み寄り、来場される人と共に創り上げるクリエイティブな場にしたいという強い想いがあるそうです。

チームのミーティングも、外庭SQUAREの青空のもとで行う事があります。芝生の上で裸足になって風を感じて音をきく。そんな時間が、自由な発想を促し、メンバーを同じ方向へとまとめる助けになっています。

“余白のある街”

中野さんは公園という場所が必然的に足を運びたくなり、様々な活動が自発的に生まれてくる場所であればいいと思っています。そんな場所を目指す時にポイントになるのが、「余白」だと考えています。

自分の考えや想いが入り込める余地・余白がある場所。ルールを決めず、つくりこみ過ぎず、70%の状態で開いてみる。その場にいる人々に合わせて、足していく、引いていく。
そうすることで、ここは自分の居場所だという自意識が芽生えてくるのではないかと思っています。

そんな繋がりをつくり続ける外庭SQUAREも、あと1年で一区切りとなります。ここまで作り上げてきたコミュニティを、地域の財産として残し、波及していく事が大事だと中野さんは話します。外庭SQUAREコミュニティの活動拠点が他の公園や地域にでき、継続していく事でユニークな人々が参画してくださる。場所を変えながら、継続してやっていくような活動にしていきたいと考えています!

うめきたの未来を見据え、街とそこに息づくモノ・人を愛する中野さんの情熱に触れる事が出来た1時間でした。

【中野 草太】
阪急阪神不動産株式会社 うめきた事業部
28歳 / 福岡県出身 / 大阪市立大学経済学部卒
2016年に阪神電気鉄道に入社後、阪神沿線の商業施設の開発・リニューアルを担当。
2018年より阪急阪神不動産の所属となり、阪急沿線の商業案件に従事。
2020年より当部署にてうめきた2期地区開発事業の公園・エリアマネジメントの計画推進業務、うめきた外庭SQUAREの運営管理業務を担当。
うめきた外庭SQUAREでは市民・企業参加型のまちづくり、オープンスペースの新たな利活用に向けた社会実験等に取り組む。
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