2021年11月13日のハイパー縁側@新京極は、西澤 摩耶さんをゲストにお迎えしました!
テーマは、「未来の風景をつくる新京極150周年事業」。
本日は、新京極公園イベント3日目の最終日。
普段は、立ち見や通りすがりの方が耳を傾けがちのハイパー縁側@新京極ですが、今回は商店街の仲間の方々が椅子を並べてスタンバイしている中、スタートしました!
ゲストの西澤さんは、新京極商店街振興組合で販売促進広報委員長を務めています。
新京極商店街にある、創業101年の京みやげ屋『ふるさと』の店長でもあり、今回のイベントではオリジナルグッズや野菜の販売もされ、大盛況!
お店で販売されているカラフルな花柄の半纏姿がお似合いの西澤さん。いつもは喫煙者だけの公園に、子どもたちや家族連れの姿も多く、「またイベントをして欲しい」という声も頂きました!と、笑顔で話します。
西澤さんは高校卒業後、実家のみやげ屋をすぐに継がず、倉敷でガラス工芸を勉強されていたそうです。
さらに、そこから進路変更。空間デザインを学ぶ為、フランスに約5年住んでいました。
人混みが好きではなかった西澤さんは、パリではなくリヨンの街に住んでいたそう。そこでリヨンと京都のまちの共通点に気づきます。
リヨンは映画のまちとして有名ですが、京都が“映画発祥の地”となるシネマトグラフを発明したリュミエール兄弟の故郷でもあります。また、川の合流地点が栄えているという地形も京都とリヨンは似ていたそうです。不思議な縁を感じたと西澤さんは言います。
帰国後、みやげ屋を手伝っていると、お客さんに京都やイベントのことを色々と聞かれることが多かったそうです。しかし、自分のまちに興味がなく知らなかったので、答えられなかったと西澤さんは話します。
また、フランスでワインを呑みながらフランス人に「日本酒ってどんな味?」と質問を受けて分からなかったこともあります。
外国への憧れや興味はあったけれど、自分の国のことを知らなすぎることを恥ずかしく感じた西澤さんは、2013年に振興組合に何かイベントのお手伝いなどあったらします、と声をかけたそうです。
すると、当時の理事長に腕をガシッと掴まれ、今はどっぷり(笑)。
「振興組合の活動はむっちゃ大変だけど、終わらない学祭みたいで楽しい!」と話します。
学生の頃に生徒会活動をしていたこと、帰国後に児童絵画教室を開いていたこと、写真を撮る仕事をしていたこと、全てが今の振興組合の活動に活かされていると西澤さんは言います。
話題は新京極のまちについて。
西澤さんのご友人が言うに、新京極のまちはコロコロ変わって忙しないイメージだそう。
確かに、新しい店が入れ替わったり変化が大きく落ち着かないと感じられます。一方で、昭和初期から続いているお店もあり、古いものと新しいものが混在する“ハイカラなまち”とも言える、と西澤さん。
変化し続けるからこそ、今のまちのその時その時の風景を残したい、記録したいと西澤さんは考えています。
今回、イベントのひとつとして昭和51年と令和3年の写真を見比べることができる「今昔写真展」を開催しました。そこには、40年前の何気ないまちの様子が写っています。
今しかない景色を逃さない為、西澤さんは当たり前の風景の写真をたくさん撮っていると話します。
2022年には、新京極通りが開通して150周年を迎えます。
京都での100年は最近の話であり、歴史も浅く遡ることができると西澤さん。年配の方からエピソードも思い出も聞けるし、倉庫に資料も残っていると言います。
そこで、振興組合50周年にあたる2026年を完成予定として、新京極のまちのことを冊子にまとめる活動をされています。
過去を振り返って、今の新京極がどうなのかを今一度考え、未来どういう新京極でありたいかをみんなで語り合っていくそうです。
150周年事業のひとつとして、150周年ロゴマークを公募し、決定。新京極の通りが象られ、緑、黄、赤、水色などの様々な色使いが印象的です。
「新京極のテーマカラーってないんですよ」と西澤さん。HP更新などにテーマカラーが必要になる時もあるけれども、このロゴマークのように色々な色でええんちゃうかな、と言います。
“色々あって 色々いい”
ごちゃごちゃ感があり統一性のなさが、新京極の良さではないかと、西澤さんは考えます。結局まちをつくるのは、その地域に住む理事や役員だけど、まちを訪れる人がいてこそまちができている。
まちづくりに中も外もなく、そのまちがめっちゃ好きな人、まちづくりに関わりたい学生、誰でも理事になり参加できるべき。内で考えているより、お客さん側の意見を取り入れ、掛け合いをしていくことで、まちづくりはもっとよくなる!と西澤さんは話します。
全国的にも商店街の理事の高齢化が進む中、そうするしか道はない!と落ち着いた物腰で力強く語って下さいました!
3日間の新京極公園イベントの振り返りとして、地域、行政、企業がアイデアを出し合って力を合わせたら、前に進んでいくことができることを実感できた!とご感想を頂きました!
今後も公民連携をしながら、オープンにまちづくりが進んでいくことに期待したいです!
新京極商店街振興組合販売促進広報委員長 / みやげ屋『京のふるさと』店長
1980年 京都市生まれ。
小・中・高を地元で過ごした後、倉敷市の芸術大学に進学しガラス工芸を学ぶ。
中退後、2001年渡仏。
5年間リヨンのエコールドコンデで空間デザインを学び、卒業後帰国。設計事務所で勤務する傍ら、児童絵画教室を主宰。退職後、現在に至る。2013年からは、商店街の“まちづくり活動”に参加。
新京極商店街振興組合