2021年10月15日のハイパー縁側@新京極は、葉山 和則さんをゲストにお迎えしました!
テーマは、「公園から地域とつながる、未来をつくる。」

コロナ渦でなければ、たくさんの観光客や修学旅行生、買い物客など様々な人が行き交う、京都市中京区に位置する新京極公園。

50年前に作られた歴史ある新京極公園の中央には石畳風のサークル。元々は噴水も出ていた場所に椅子とスクリーンを用意し、ハイパー縁側@新京極がスタート!

「公園でマイクを持つと、開放感があり、めっちゃ気持ちいいですね!」と、開口一番心境を発信された記念すべき第1回目のゲストの葉山さん。

葉山さんは、京都市の公園や街路樹の管理を統括する京都市建設局みどり政策推進室
に所属し,公園利活用の企画担当として,「公園利活用トライアル事業」
を推進されていらっしゃいます。

市役所に入庁する前はゲーム会社にお勤めで、入庁後は広報の仕事を8年間担当し、「きょうと市民しんぶん」や広報動画を手がけていました。

その中で、行政の広報の仕方は自己満足の発信が多いことに疑問を抱き、“硬い情報をいかに噛み砕くか”、“興味ない人にいかに届けるか”ということを大事にされ、「市民しんぶん」の在り方を変革されてきました。

前職の経験を生かし、漫画やゲームの要素を取り入れたストーリー性のある紙面を作り上げ、『内閣総理大臣賞』の受賞歴もお持ちだそう。

早速、「公民連携 公園利活用トライアル事業」の話へ。
「公園は自由そうに見えて制限がある。」と葉山さん。

ほとんどの公園は行政が直営で管理しており、不公平感を無くす為にどの公園にも一律に同じルールがあるそう。そうすると、どの公園でも「ボール遊びダメ」「犬の散歩ダメ」など、制限ができ、公園を利用したい人とのニーズが合わなくなり、使う人が減っていきます。

京都市内には約930の公園があるそうですが、それぞれの公園で運用を変えていけば、もっと使う人が増え、楽しむことができると、葉山さんは考えます。

しかし、京都市は財政もマンパワーも不足しており、行政の力だけでは変えられない。
ならば、民間企業や地域の人々と協力し、公園の課題を見つけ、実験し活用しいこうということで「公園利活用トライアル事業」が始まったそうです。

公園のある新京極地域は、周辺エリアに歴史とストーリーが続いている、と葉山さんは言います。
新京極通りは、来年で150周年を迎え、かつては劇場や映画文化が栄え、たくさんの土産物屋さんが並んでいました。

観光都市のど真ん中にあり、世界からの観光客や修学旅行生、また地域のお年寄りや若者なども訪れ、かなり多様な人々が行き交うことが特徴です。

その昔は、吉本興業が運営する劇場「京都花月」も公園に隣接しており、芸人さんがこの公園でネタ合わせをされていたり、地域の人々との交流もあったそう。

今までのストーリーを断ち切って、今後の公園を考えるのはもったいない、歴史を紡ぎストーリーを踏まえて公園の在り方を考えることで、地域の文化を豊かにしていくと、葉山さんは言います。

11月6、7、13日の3日間、「劇場・映画文化と未来の風景にふれる日」と題して、新京極公園を中心とした界隈で、まちあるきアートギャラリーや、野菜マルシェ、ゴミ拾いイベントが開催されたり、地域の方とのトークセッションが開催されます。

新京極の歴史や文化と、今の姿が融合した興味深いイベントです。

“公園利活用トライアル事業”

「公園利活用トライアル事業」の本当の狙いは、イベントを開催したり賑やかにしたいということもあるけれど、「みんなで楽しい事を考えよう」「公園を居心地よくするにはどうしたら良いか」、とちょっと考える機会にして頂ければ、と葉山さんは言います。

今回、「公園利活用トライアル事業」では、宝ヶ池公園(左京区)、竹間公園(中京区)、そして新京極公園の3つの公園で試行的利用がスタートしました。

なぜ、新京極公園が選ばれたかというのには、2つ理由があるそうです。
1つ目は、地域の人々が美化活動を熱心にされていて、「歴史を守りながら自分たちで自分たちの街を創っていく」という想いが強いことだと言います。

2つ目は、この公園は本当に様々な人が訪れる場所で、まさに「多様性の街・京都」を表わしたような難しい公園です。
だからこそルールを作り、使い方を考えていくことで、モデルケースになっていけると考えます。

最後に、「スペースと時間をうまく工夫していくことで、様々な人々のニーズを満たせる公園になっていってほしい。」と葉山さん個人の考えも聞かせて頂きました!

公園というのは、地域の方やみんなが繋がる場所で、それが安全や安心、防災にも繋がっていくものだから、自分事としてちょっとずつ興味を持っていくことが大切です。

これから、色々な人を巻き込みながら新京極公園のチャレンジが続きます!どのように、歴史やストーリーと調和を図りながら、地域が変わっていくのか。とても楽しみですね!

【葉山 和則】
京都市 建設局 みどり政策推進室 公園利活用企画課長
1977年 大阪生まれ、大阪育ち。京都との関わりは大学から。
ゲーム会社に就職後,2003年に京都市役所入庁。
広報課に8年間在籍し,広報紙「市民しんぶん」や広報動画の改革に取り組む。
広報紙は,日本広報協会の主催する「2017年全国広報コンクール」で最高賞「内
閣総理大臣賞」を受賞。広報動画でも,関西で最も権威あるCM賞「2017 MADE IN
OSAKA CM AWARD」で最優秀賞を受賞。
また,広告の増収に向けて民間企業への営業活動を展開し,大幅増収を実現。こ
れを機に,「行政側から売り込む」ことの大切さを学ぶ。
京都市美術館のリニューアルにも携わり,ウェブサイトのリニューアルや
公民連携による運営体制の構築に尽力。2020年から現職。
京都市 建設局 みどり政策推進室
公民連携 公園利活用トライアル事業