2021年2月4日のハイパー縁側は、芦田北斗さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「“フードロス”について」

芦田さんは大阪の茨木ご出身で社会人2年目。野菜や果物の流通の会社で、フードロスの課題に取り組むMinori-O(ミノリオ)というプロジェクトに関わっていらっしゃいます。

芦田さんは大学時代にフィリピンに行き、飢えているストリートチルドレンの現実を目の当たりにして日本の環境との違いに衝撃を受けました。それをきっかけにフードロスに関心を持ち、今の会社に就職します。

仕事を始めて衝撃を受けたことが、夏に生鮮市場で目にした景色でした。20玉入りのトマトのケースが、その日だけでなんと1000ケースも捨てられていたそうです。全部明日捨てられるから持っていってと言われ、どうしたらいいものかと驚いたそう。

そんな芦田さんが現在されている取組が、本来廃棄されるはずだが食べられる野菜・果物のマルシェでの露天販売です。これはコロナ禍でスーパーが密になり、ご年配の方が買い物に行きづらい中で、自分たちの事務所の前で小さく販売することが貢献になるのでは、という思いから会社で始めた活動です。

このマルシェが100店舗、200店舗と増えれば、1000ケースのトマトを捨ててしまうようなフードロスを無くすシステムがつくれるのではと考えています。マルシェは続々増えていて、現在10店舗がオープンしています!

“コミュニケーション・安否確認の場”

開催してみて芦田さんがわかったこと。それはコロナ禍で人と話す機会が少なくなる中、マルシェがお客さんとのコミュニケーションの場、ご年配の方々の安否確認ができる場にもなるということです。マルシェがフードロスカットだけでなく、気軽に来れるコミュニケーションの場所としても役割を果たせると考えています。

このような活動は、大手企業ではなく小回りのきく小規模な自分たちだからこそ可能性があると感じています。自分たちの儲けだけ考えるのは時代的に違うと感じていて、自分たちの取組でどう社会が変わるかという所が面白いと考えながら、社会貢献と収益の両立を模索されています。

中津周辺では、豊崎ぐぅぐぅで毎週水曜日、福祉会館で毎週土曜日にマルシェを開催しています。子育て中の主婦の方など集まってくれる地域の人の反応をみると、お野菜はコミュニケーションツールになると感じています。現在は北区がメインですが、これから活動範囲を広げていく予定です!

フードロスの捉え方も、まだ食べられるけど捨てられるものと認識してくれていることもあれば、ごみ同然のものと認識されていることもあり地域差があるそう。芦田さんはごみ同然だと考える人たちにこそ情報をきちんとお伝えして、フードロス活動の認知を高めたいと考えています。バナナやキウイなどは腐る手前の柔らかいものこそ糖度が高くておいしい、という食べ頃の認知も変えていきたいとお話されました!

芦田さんの問題意識から起こる”活動”が、まさに社会に必要なものとして動き始めています。その中で消費者の私たちも、視点も変えていかないといけないと感じるお話でした。

【芦田 北斗】
Minori-O
食品流通 の仕事をしておりMinori-O【ミノリオ】では大阪北区を中心にフードロス活動をしています。
元々は祖母の認知症が原因で脳の健康に関心があり、がんや認知症の予防から黒にんにくを勧めていましたが、市場に行った際ににんにくを含め大量に捨てられている食品をみて絶句。
海外留学をしていたこともありフードロスに関心があったため、何か流通の仕組みを変えたいという気持ちからこの活動に参加しました。
https://foodoyasai.shopselect.net/about