2024年1月23日のハイパー縁側@天満橋は、佐々木 淳子さんと三上 文香さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「孤育て脱却!今しかない時間を楽しむために」
人生で初めてのトークセッションという佐々木さん・三上さん親子。親子でのご登壇も、ハイパー縁側史上初です。
親子ならではの、和やかで息の合った雰囲気でスタートです!

佐々木さん・三上さん親子は、2022年に一般社団法人日本産後ケア推進協会『マナカイ』を設立。雑貨販売やイベントを通じて、赤ちゃん連れのママや家族が気兼ねなく楽しめる『マナカイママフェスタ』を開催しています。『マナカイママフェスタ』の活動を軸に、資格事業やセミナー事業を展開。
その他にも豊中市から委託を受け、イベントを開催したり、助成金でフリーマガジンを作成したりと、幅広く活動中です。得意分野が違うので、うまく分業できていると話すお2人。三上さんはSNSを活用した広報や発信を担当し、佐々木さんは経営面を担います。

そんなお2人は、『マナカイ』の活動を始めるまでは畑違いのお仕事をされていたそう。佐々木さんはアパレル関係のお仕事、三上さんはエステサロンの受付や医療事務に従事していました。7年前に旦那様を亡くし、アパレルのお仕事もそろそろたたもうと考えていた佐々木さん。車で20分ほどの距離の三上さんの家の近くに引っ越し、第二の人生について思案していた、と言います。
そんな時期の2019年に、三上さんが長女を出産されます。三上さんは出産を経験する事で、まだ喋ったり歩いたりできない赤ちゃんを、連れて出かける場所がなかなかない事を実感します。そして、ベビーマッサージを勉強し、自宅で教室を開く事を思いつきます。20年以上ヨガを習っている佐々木さんに、「お母さんはベビーヨガ担当ね」とお願いし、ベビーヨガも加える事に。さらに、ママが気軽に買い物やイベントを楽しめる事をしたい、と『マナカイママフェスタ』の企画を構想します。

言葉が通じない赤ちゃんと、平日の昼間に1人で向き合うママ。毎日、仕事に出かけて行き、人と会って話していた産前の生活とは全く違う日々を過ごす事になります。「子育て」に「孤育て」という字をあてたのも、出産後はとても孤独を感じやすいから、と言います。1日中、人と話さなかった日もあると言うママも。また、産後の身体はダメージを受けているにも関わらず、夜中の授乳やミルク・オムツ替えに追われ、睡眠不足になりがち。ホルモンバランスも崩れ、不安な気持ちになりやすいそう。
このような状態では煮詰まるのは当たり前で、「独りで育児をしている」と感じてしまう、と三上さんは指摘します。だからこそ、同じ想いを持つママたちが共感できたり、リフレッシュできる機会を作る事で、「自分の子どもってやっぱり可愛い」「育児って楽しい」という気持ちに立ち返る手伝いをしたいと『マナカイ』の活動を始めた、と語ります。

“今しかない時間を楽しむ”
内藤寿七郎博士が提唱した「まなかい」という言葉。“生まれたばかりの赤ちゃんを優しい眼差しで見つめること”を意味します。三上さんは、その言葉を大切にし「根本に帰り、育児を楽しめるように」という想いを込め、お2人の活動に『マナカイ』と名付けました。『マナカイ』は赤ちゃんに対する活動というよりは、ママにフォーカスを当てた活動だ、と佐々木さんは説明します。ママが笑顔でいれる事が一番大切。そうすると赤ちゃんにも自然と伝わり、親子の“心の安定”に繋がると考えています。
最初は、自宅でベビーマッサージやベビーヨガ教室を開いていましたが、さらに活動は広がり、2020年3月から『マナカイママフェスタ』を企画し、会議室の一室でフェスタをスタート。ママが手作りの雑貨を販売したり、赤ちゃんハイハイレースなどのイベントも企画しました。しかし、当時はちょうどコロナウィルスが蔓延し始めた頃。
フェスタを始めてすぐに緊急事態宣言が発令され、1度は延期をせざるを得ない事もありました。ただ、お2人はそこでフェスタを止めるという選択肢はなかったと言い切ります。パーテーションでブースを区切ったり、換気・消毒の徹底・フェイスシールド着用など、感染対策を施し続けてきました。また、会場が大きくなってくると、分散入場などの対応も。大手のイベント会社だと、人が集まりすぎるので中止という判断を下すけれど、「逆に、私たちの規模だからこそ開催できるのではないか」と考えて継続してきた、と当時を振り返ります。

「こんな時期に開催してくれてありがとうございました!」「リフレッシュになりました!」というDMが届いた事が励みだった、とお2人は語ります。来場者だけでなく、出店者のママたちもとても喜んでくれました。
天候やタイミングが合った屋外のフェスタでは、5千人もの方々が集まった事も。批判の声が少しはあったものの、コロナ禍で歩みを止めず続けてきた事が、確実に今に繋がっている、としみじみ実感しています。

制限のある中で、工夫を凝らしながら進めてきた『マナカイママフェスタ』は、次回で30回目。京阪シティモールや中央公会堂など、様々な場所で開催してきました。お客さんとしてフェスタに遊びに来てくれていたママや、ベビーマッサージやヨガに通ってくれていたママが運営スタッフとして参加してくれたり、「2人目が産まれました!」と、家族揃って来てくれるのも、とても嬉しいと笑顔で話します。
今年中に、今まで開催した事のない大きな公園で、室内ではできないコンテンツを交えながら、フェスタを開催する事を目指しています。現在、佐々木さんの家を事務所として、仕事を進めています。イベントのない日は朝から夕方まで、一緒に事務作業を行います。さすがに四六時中一緒というのは、息がつまるのかなと思いきや、そんな事ないそうで「ほっといたら、ずーっと喋っています」と、仲良く笑います。

お2人が、『マナカイ』を始めた頃に、作成した「やりたいことリスト」は、ほぼ全部叶える事ができたそう。ベビーマッサージやベビーヨガの養成講座を開催し、インストラクターの方々は今や全国に。お2人は、運営側にまわるという構想も実現しました。情報誌発行や、ママの大学も形となっています。今後は、仲間を増やして新しいアイデアを取り入れながら、さらに可能性を広げていきたいと考えています。

三上さんからするとお子さんの出産、佐々木さんからするとお孫さんの誕生が、お2人の人生を大きく動かすきっかけとなりました。もともと仲良しだった佐々木さんと三上さん親子。「起業したのは、本当にタイミングが合っただけ」と笑顔で話しますが、親子ならではの団結力やコンビネーションを生かし、やりたい事をスピーディーに実現させてきました。
そんなお2人の活動が、大阪のママのリフレッシュに繋がり、その家族の心を豊かにしています。これからも、さらにたくさんの親子に、“今しかない時間”を楽しむ、手助けやヒントを与えてくれそうですね!

一般社団法人 日本産後ケア推進協会マナカイ 代表理事
2016年までの30年間アパレル会社専務取締役。
主人を亡くし、孫が産まれたことをきっかけに、2019年~ベビーヨガインストラクターとなる。
2022年一般社団法人日本産後ケア推進協会マナカイを設立。
一般社団法人 日本産後ケア推進協会マナカイ 副理事
2019年に娘を出産したことをきっかけに、ベビーマッサージを学び、おうたベビーマッサージ考案。
全国に350名を超える受講者あり。
母(佐々木)とともに、マナカイママフェスタ・撮影会・ママの大学・豊中市コロナ健康支援事業のベビーヨガなど企画運営している。
日本産後ケア推進協会マナカイ