2023年12月19日のハイパー縁側は、前田昌則さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「夢キタ万博2023の振り返りと、2024年に向けて。」
ご登壇回数は最多の6回を数える前田区長。
大阪市の区長は市内に24人いますが、公募制度があり、民間人がそこを受験して採用されれば職に就ける制度があります。前田区長は元々パナソニックで30年間住宅に関わった後、此花区長を4年務め、北区長になって現在4年目になります。
前田区長が一番やりたかったことは、学歴ではなく、この社会で自分で物事を考えて行動する人材を育てることでした。大阪市の区長は小中学校を管轄しており、直接校長と話すことができます。前田区長は自身の考えを校長たちに話し、これまでも教育に関わる活動を進めてきました。
その中で、11月11日に梅田のスカイビルで区内在住・在学の中高生を対象に、仕事の体験会や講演会を行う夢キタ万博を開催しました。北区の様々な企業が40社集まり、当日は大人を含めて1万人もの来場者がありました!
当日の様子も写真と共に紹介してくださいました!子供たちにここで提供したかったのは。未来の仕事の体験。ここでしかできないことをすること。講演会には阪神タイガース元監督の矢野さん、書道家の青柳さんなどが登壇。
また40階の空中庭園ではファッションショーを開催し、区内中学校の家庭科部の生徒が参加しました。最初は人前で歩くなんて恥ずかしいと、なかなか手が上がらなかったそうです。ですが北区の上田安子服飾専門学校さんの協力を得て、名のあるデザイナーさんでもある専門学校の先生に裁縫などを教えてもらったり、パリコレに出たモデルさんによるウオーキング勉強会を行ったりするうちに、だんだんテンションが上がっていったそう。当日は笑顔でパフォーマンスを見せ、沿道を埋めた保護者や学校の教師はとても感動していたそうです。
この子たちがみなファッションの世界で生きると前田区長は思っていません。ファッションということを利用しながら、大人数の前で自己表現ができるという経験を彼女たちがしたと話します。これから外国に打って出ようと思ったら、大勢の前で自分の意見を堂々と言える力が必要になってくる、その経験の一部ができる。これは学校では中々できないことで、それを我々がどう後ろから押していくかに価値があると考えています。
また、結婚式も開催しました。ウエディングプランナー養成コースを持つ梅田のベルェベル専門学校の協力で、結婚式を挙げていなかった地元の中学校教師の式をこの場で開催しました。なのでこれは生徒たちが作る恩師の結婚式でした。この結婚式のシナリオを書いたのも生徒。当日の受付など運営も生徒がやっていました。
前田区長が最後に新郎と話すと、すごく喜んでくれていたそう。結婚式が伸びてよかった。こんなに子供たちに僕たちのためにやってもらえると思わなかったと言ってくれたそうです!
1階の広場では、自衛隊と警察、消防が防災をテーマに体験ブースをつくりました。
自衛隊はブルーインパルスジュニアというバイクを宮城県からトラックで運んできました。西日本初デビュー。大人も乗って楽しんでいたり、災害対応で使う、炊き出しの給食車とお風呂を持ってきたり。消防は大阪の八尾空港にヘリポートがあって、そこから消防ヘリも飛ばして降下訓練を見せてくれました。
消防からは災害時現場に最初に入り機動力を持って動ける赤バイ、警察からは交通機動隊の白バイと、大阪府警にしかないという街頭犯罪の取り締まりに使う青バイを持ってきて、青、赤の3種類のバイクが同時に並ぶ光景が見られたのだそう。
スカイビルから離れたところではスポーツ教室も開催され、オリックスバファローズの野球教室と、オリンピック選手による陸上教室が行われました。陸上教室に来てくれたのが2023年の日本で一番最速の記録を出した井口選手。世界と戦う人は明確な目標を持っており、そのために何をするか、どんなトレーニングをするか、何ができるか、全て理論的に説明してくれます。
顧問の教師も感動していて、特に北区のグラウンドは、狭くてあまり動き回るスペースがないだけに、トップアスリートに教えてもらうと走り方が上達する機会になると感じていました!
またオリックスの野球教室に来た子は、北区で管轄している中学校で郊外校という、大阪市外に建つ全寮制の学校の生徒です。なぜ全寮制かというと、例えば家庭でのDVを受けたり、事件を起こしてしまい、その背景に家庭問題を抱えていて親と隔離しないといけないなどの理由があるためです。
全寮制でずっと塀の中で暮らしているので、この子たちが来てくれて外で社会性を身につけたり、夢を持てる機会を与えられたこと、またこの時間のために教師がどれだけ動いてくれたかを感じ取り、前田区長も嬉しく感じています。他にも隣のウェスティンホテルではスイートルームを見学させてくれたり、スカイビルでは美術部の子たちにフレスコ画体験を勉強させてくれる機会もありました。
“子どもたちの夢づくり”
子供の夢づくりというキーワードで企画をすると、いろいろな大人が寄ってきて、色んな機会を与えてくれて、捨てたものではないなと今回思いました。
ハイパー縁側も開催し、高校生の方に3名が登壇しました、通信制の高校の方2名と、学校に通う子1名。それぞれ目標を持って、自分はドローンの世界で戦うんだとか、eスポーツのプロ選手になる、舞台女優を目指して今舞台の学校に通いながら東京に行こうと考えている、など明確な目標を掲げて邁進しています。
通信制高校へ行っている子たちも、全てではないですが中学校では不登校だった子がいます。中学校教育では、何とか学校に帰ってくることを追求せざるを得ないですが、その子たちが次のステージに移ったときに、不登校であったり、ハンディを飛び越えて世界を狙う明確な夢を持っている子ってええなあと感じています。
来場した大淀中学校の生徒100名にアンケートを取ったところ、97%の子どもがすごく有意義で、来年も開催してほしいという声が出ています。随行した教師も100%が有意義であって、来年もぜひこれをやってほしいという回答をしています。
2024年は11月9日と10日に開催を予定しています。
スポーツ教室やファッションショーに関わった子たちは、別会場にいたり一日中準備をしちたりで、他の体験ができなかったそう。それはかわいそうかなと思って、土曜と日曜にやることは分けて、両方行ける企画で今検討を進めています。
北区には、1万5000社の会社があります。そういう企業さんがお願いすれば、社会貢献として子供たちのために何か一肌脱いでくれることが一番のエネルギー源になっています。その会社があってのこの企画だと感じています。今年出展していませんでしたが、当日偵察に来て来年出たいという企業もいたそう!
今回テスト企画としてやってみて、反省点もありましたが、それを見直して活かしながらやっていければと考えています。ビルの上で開催するので、人数面での制限もありましたが、流動性が取れるのであれば、対象を北区の子に限らず広げたいともお話されました!
次の夢キタ万博もとても楽しみになります。この機会を通じて子どもたちの未来がどんどん広がっていってほしいですね!