2023年12月3日のハイパー縁側@私市は、篠崎聡さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「未来を予測しない生き方」
「しのぴーです」と、クラフトビールが入ったキサイチゲートタンブラーを片手に、笑顔で自己紹介する篠崎さん。「しのぴーファン」も駆けつけ、子どもから大人までたくさんの方々が私市駅前に集まっています。本日は、9月から始まったキサイチゲートの最終日。
ハイパー縁側終了後には、キサイチゲートを彩るイルミネーション点灯式を控えているので、ワクワク感が溢れ、とても賑やかな雰囲気です!
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篠崎さんは、交野おりひめ未来研究所の代表理事・交野おりひめ大学学長・天野が原まちづくり委員会委員長など、様々な役職を兼任中。交野のまちでアクティブに活動していますが、ご出身は、福岡県飯塚市。山口大学・大学院を卒業後、松下電工に就職し、大阪で2年間勤務します。
その後、篠崎さんの地元・飯塚に研究所ができる事になり、飯塚に戻り、実家から研究所に通勤していました。研究所時代は、インターフォン音のデジタル化に取り組み、ナースコールなどの開発に携わったそう。そして、横浜への転勤を経て、2005年に大阪勤務となります。交野の社宅に移り、交野での生活が始まりました。
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そして、このまちでおりひめ大学と出会った篠崎さん。ひょんなことから、日本酒を作るおさけ学科に入学しました。2年目からはリーダー会議に参加し、気づけばおさけ学科のリーダーに。メンバーみんなで方向性を共有する為、日本酒に精通する先生を講師として呼び、ワークショップを開きました。
初回のワークショップで、先生から飲み手の利き酒は自由で「自分の言葉で自由に表現できたらいい」というアドバイスをもらいます。そこから、おさけ学科のメンバーは「自分の言葉でおさけを表現する」という事を目指します。「言葉で自由に表現する」また「人の表現をきく」。すると「自分の表現に変わる」という体験をし「とても面白かった」と、おさけ学科のリーダー時代を振り返ります。
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会社員の頃は、大企業に勤務するがゆえに「井の中の蛙」になる危機感が常にあった、と話します。そんな篠崎さんは、社内塾の活動をしている延長で44才の時に『関西ネットワークシステム』にも参加。大勢の人が集まり、複数の部屋でそれぞれが取り組んでいる事を発表するプレゼンが行われます。興味があるプレゼンを聴いて廻り、後の交流会では関心のある人に質問したり、自分の考えを伝える事もできたそう。
この場では、「原始スープから、アミノ酸がたまたま生まれたかのような化学反応」が起きる、とやや難解な表現をする篠崎さん。何か生まれるかもしれないけれど、何か生まないといけない、とコミットしている訳ではない。「やらねばならない」と、到達目標を作った途端、できていないとマイナスになり自己肯定感が下がる。しかし、コミットしていないと、何か生まれたら「すげー!」になる。この感覚をとても大切にしている、と語ります。
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おりひめ大学は、仕事ではない。「やらねばならない」ではなく、「やりたい」。「やりたい」が集まり、続けて重ねていく。篠崎さんはそれを支えたい、と言います。
おりひめ大学創設者の甲斐さんは、「面白い事を思いついて動き出すと、篠崎さんはそこに意味や目的を持たせ、仲間を増やし共有してくれる存在だ。」と話します。実際にこの冬、クラフトビール醸造所がオープンし、春にはクラフトビールフェスを計画中。おりひめ大学では、様々な「やりたい」が実現しています。
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インド人経営学者サラスパシーさんは、成功する起業家に共通する行動様式を提唱した、と言います。どの起業家も、「ゼロ」から「イチ」を作る時に、未来を予測していない。未来を予測して市場を定義し、セグメンテーションするようなやり方ではなく、誰かと話した時に「面白い」「できそう」と感じ、自分の好きな事であれば、許容可能な損失の範囲内で動く。
「自分の時間とお金を使ってでもする」というのが行動様式の基本だそう。それは、分かりやすく言うと、“受けて立つ”事だ、と篠崎さんは捉えています。
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“受けて立つ!”
この瞬間、目の前にいる人から頼まれた事に対して、“受けて立つ”。それは、三種の神器の剣の心であり、日本古来からの生き方。その日本古来の生き方と、起業家の行動様式が似ていると篠崎さんは感じています。そして、それを続けていたら「今ここにいる」と、笑顔で語ります。
現在、天野が原まちづくり委員会の委員長を、頼まれて引き受けている篠崎さん。委員長になるまでは、まちづくりを真剣に考えていなかったと言います。また、おりひめ大学学長になるまでは、俯瞰して大学を見ていなかったし、おりひめ未来研究所の代表理事になるまでは、研究所がどういった事をする所なのか考えていなかったそう。
しかし、受けて立ち、その立場を受け取ると、考えるようになる。おさけ学科のリーダー時は、おさけ学科の範囲内で考えていましたが、今は交野未来おりひめ研究所の視点で考えるように。その立場になったからこそ、見えてきたものがある、と言います。例えば、おりひめ未来研究所代表理事の立場になると、教育や交野のまち全体を注視するようになったそう。子どもや親を対象とし、支援や居場所を提供する団体が、交野にはたくさんあります。その団体が集結する『子どもたちの未来を考える団体の会』の結成にも繋がった、と話します。
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篠崎さんは、「学ぶ」には2種類あると考えています。「基礎学力」と、「実際にプロジェクトベースで動くことで獲得する力」。現在の学校では、「基礎学力」をつけるために、学習指導要領が定められ、そこに到達させる事が、教師の仕事になっているのでは、と指摘します。そうなると先ほどの話にあったように、到達しないと「できていない」とマイナスになってしまう。
一方、『子どもたちの未来を考える団体の会』にも所属する、交野の森のようちえん『いしころえん』や、フリースクール『根っこわーくす』では、その子その子でやりたい事を自分でやり、できない事をできるようになる体験を積んでいき、それが楽しいと感じる。“自分で学ぶ”というサイクルが回っていて、それがとても大事だ、と篠崎さんは考えています。
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また、おりひめ大学カフェ部リーダーで、19才の佐藤さんが発案しスタートした『18再』も、「実際にプロジェクトベースで動くことで獲得する力」を体現している、と言います。学生時代とコロナ禍が重なり、みんなで歌を歌えなかったり、ひとつの事を成し遂げる経験ができなかった年代の子たち。交野のアーティストと一緒にその想いを曲にして、みんなで歌い上げるイベントです。実行委員会を作り、資金集めなど突破しないといけない事に立ち向かい、3月の本番に向けて奮闘中です。
子ども時代から自己肯定感を持ち、自分で自分のできる事を増やしていく事で、次の自分のやりたい事に繋がっていく。それを認める交野のまちになってほしい。そして、そんな交野の教育を発信していきたい、と力強く語ります。
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ちゃんと立ち向かっていると、“運ばれる感覚”で、色々な事が繋がって見えてくる。本当に幸運と思える、と実感を込めて語る篠崎さん。柔和な人柄をもって、受けて立ち、進化し続けています。「まさに、こんな未来を予測してなかった!」と溌剌と話す篠崎さんから、愉しさと豊かさを感じました!
最後は、キサイチゲート最終日という事で、全7回のキサイチゲートの音楽プロデュースを担当し、おりひめ大学に所属する服部さんがご登壇。音楽は全世界で楽しめる共通のコンテンツだけれど、このような場、暖かい来場者、マルシェの雰囲気、全てが重なってできたキサイチゲートだと思う、と感想を述べます。
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また、キサイチゲートを支え続けた縁の下の力持ち、京阪HDの田邊さんも登壇し、出店やパフォーマンスができる場を提供するだけで、こんなにもたくさんの方々が集まり、交わる事ができる。“地域の力”を実感していて、今後も「やりたい」が集まるパワースポットになってほしい、と話します。
様々な人の想いが交わり、関係が繋がり、まちの新たな魅力を発見できたキサイチゲート。今後どのように展開していくのか。予測できない未来が楽しみです!
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交野おりひめ未来研究所 代表理事 / 交野おりひめ大学 学長 / 天野が原町まちづくり委員会 委員長 / 交野市産業振興基本計画推進会議 委員 / 天川村課題発見・解決プロジェクト リーダー / 天川村ホイスコーレ 運営兼講師 / 家庭料理 﨑ゃ お燗番 / 某メーカー 会社員
1967年、福岡県飯塚市生まれ
44歳まで、人に興味を持たない、普通のサラリーマンだった。
あるきっかけで、人に少し興味を持つようになり、色んな人の話を聞く中で、社会や地域の課題に関心を持つようになる。
システムデザインマネジメントを学び、イノベーティブに物事を考えるチカラを身につける。更にエフェクチュエーションを学び、起業家の行動原理で意思決定するようになりはじめる。
これらモノの見え方や、考え方、行動様式が変わることで、まちづくり委員会の委員長や、交野おりひめ大学の学長を担うことになる。
今は、森のようちえんやフォルケホイスコーレに関心を持ち、奈良でのフォルケホイスコーレの立ち上げに関わっている。
交野おりひめ大学
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交野市産業振興基本計画推進会議
天川村ホイスコーレ
家庭料理 﨑ゃ