2023年1月11日のハイパー縁側は、東信史（まっくす）さんをゲストにお迎えしました！
テーマは「キャリアブレイクと人生の余白」

まっくすさんは佐賀県ご出身。福岡で働いた後転職し、28歳の時に京都に来ました。現在はまちとしごと総合研究所で、住民の方々がまちづくりに関わっていくプロセスづくりや、地域課題解決の活動を起こすためのワークショップなどの活動をしています。

そんなまっくすさんが今行っている活動のテーマが「キャリアブレイク」。キャリアブレイクとは、意図的に一時的な休職・離職をすることを指します。世の中では休職・離職は否定的に捉えられることもあります。ですがその期間自体を肯定的に捉え直して、コーヒーブレイクのようにブレイクタイムとして、少し立ち止まることで見えてくる景色もあります。その時間自体もキャリアとして捉えられていいのではないか、と伝えています。

元々欧州にあったキャリアブレイクという考え方を、まっくすさんが知ったのは昨年4月のこと。現在は一般社団法人キャリアブレイク研究所で、これを文化として広げる活動をしています！

そんなまっくすさん自身は、周りからは楽しく仕事をしていると見られるそうで、よくキャリア相談を受けるそう。そんな相談者に、ことごとく仕事をやめさせるのが趣味だとまっくすさんは笑います。
やりたくない仕事ではパワーを発揮できないので、最初からやめたらと伝えているそう。一旦やめてみて、自分が心地よくやりがいをもてる仕事に就いたらいいというシンプルな考えを持っています。

また相談者を、知り合いの人手を必要としている会社やお店に送り込んで、楽しく働く経験をできるようにもしているそう。その経験を通じて、相談者は元の仕事に戻ったり、独立したり、出会ったお客さんの所で働き始めたりもしているそうです。

相談をする方は、ほとんどがサラリーマンだそうです。この仕事は嫌ですと言えないなど、言っちゃいけないと思っていることがたくさんあるのではとまっくすさんは感じています。

まっくすさんはいた環境がよかったと前置きしつつも、かつて28-30歳の頃にいた会社で、仕事を頼まれて「嫌です」と言っても他の人がやってくれたり、逆に自分がやりたいことは手を挙げてチームメンバーと仕事ができた経験がありました。それでも成り立つ組織をつくることが大事なのではと思った原体験でした。

キャリアブレイクの当事者に休職・離職を始めたきっかけを聞くと、会社・組織としての問題が大きいなと感じています。その人にさせる、やってくれないと困るということが多く、それにより職場環境が自分に合わない、向いていない仕事をしていると感じる人が多いとまっくすさんは考えます。

キャリアブレイク自体が、楽しく豊かな時間になることが必要でありつつも、会社・組織が変わらないことには延々と合わない状態が続きます。その人が生き生きとしやすい職場をつくることが大事だと考えています。

その取組の一つが、この日で5回目の開催になる無職酒場。「無職です」と言うと無料で飲み物・食べ物が出てきます。言葉だけ聞くと、無職の人がお酒飲んで大丈夫なのか？と捉える人も時にいるそうですが、来て体験すれば全員楽しくなる場所だと話します。リピーターも多く、遠くから新幹線でくる人もいるそう！

他には、むしょく大学もあります。入学金、受講料もない、キャリアブレイク中の人、働くことに悩んでいる人が学べる大学です。人生のどんな経験からも学びがあるので、参加者が自分の経験を話しながらお互いに学び合う機会づくりをしています。

最後に、今年のまっくすさんの抱負は極力仕事を減らし休むこと。今年38歳になるので、40歳を前に一回立ち止まって、自分が本当にやりたいことを考える余白をつくりたい、また子育ても楽しんでいきたいとお話されました！

キャリアブレイクがこれから新しく、面白い文化になっていくといいですね！