2022年10月12日のハイパー縁側は、賀來寿史さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「人生はプロトタイピングやんか」

賀來さんは、木工というコトを伝える木工家。
今回のテーマである「人生はプロトタイピング」という言葉。プロトタイピングとはどういうことかというと、実験、お試しだと話します。要はとりあえずやってみる、ということ。

大人の遊び場となるような様々な取組・活動をしている賀來さん。賀來さんの中では、仕事と遊びを分けず、活動と呼んでいます。プロトタイピングとしての実験的な活動の中から、お金が生まれたらラッキー。なんでも生産性、経済活動というのでなく、労働、仕事、活動を仕切らずにシームレスにしていきたいと考えています。

なぜ人生はプロトタイピングだと考えたのか。それは、人間はみんな初めてその人生を生きている。どの年代でも初めてであり、ずっとプロトタイピング、ずっと実験だという考えが根本にあります。
つまりそれはプロセスであり、どれだけ積み重ねられるかという行為。

“前のめりに倒れる”

これから自分に何ができるかと考えた時に、やることを完結させなければと思うと、あれもできない・これもできない、と何もできません。人生はこの先長くないので完結しないのは分かっている。ならば完結しない前提で、前のめりに倒れるまでやって死のう。悔いが残らない人生にしよう!と最近考えています。

賀來さんはもともと「絶対」という言葉は嫌いでしたが、ちょうどハイパー縁側がある当日に、夢の言葉だとふと気づいたそう。
「絶対そうじゃない」と言うと絶対はない、と物事を膠着させてしまいがちですが、「絶対にしてやる」と思った時には、口にした瞬間に希望の言葉になります。絶対そうなる、という気持ちが自身を前のめりにさせると話します。

賀來さんは自身を職人ではなく木工家だと称します。20代の時は、おもちゃメーカーや森林組合製材所などで、様々な仕事をしていました。高度経済成長期~80年代ぐらいに起こったクラフトブームの時代に、木工家という存在が発生し始めました。

賀來さんはその20年ほど後に、その人達をみながら家具を作ったりと木工を仕事にする個人としての活動をスタートしたそうです。自分は、若い丁稚から経験を積み上げて技術とクリエイティビティを手に入れていく職人のスタイルではなく、木工家だなと思っているそう。現在は、木工で人類の進化にいかに寄与できるか、日々迷走中です!

人類はずっと実験し続けていて、その結果がこれまでの過去を形作っています。プロトタイピングの結果でしか次のフェーズは現れてこないと考えます。途中で血も汗も流すかもしれません。
でもこれまでの歴史で起きてきたことも、自分の人生も、誰かが答えをくれたわけではなく、答えを自ら導き出すプロトタイピングの行為によるものです。

人生は死ぬまでずっと、プロセスの積み重ねなので過去の経験は重要です。経験がなければ何もできません。ただ、過去の経験を自分の道具にしながらも、それに縛られ、頼りすぎたりこだわりすぎると未来はつくれません。

これだけ変化の大きい時代で自分はこれまでこうだったから、この先もこうだとはならない。成果は後にしかついてこないし、やってみようと思うことをやっていいと考えています。人が失敗したら指摘するのではなく、みんなの未来はずっと実験だという寛容さを持てたら、人類の未来につながるのではと考えています!

賀來さんは今、大人って思っていたより楽しいと感じています。30代、40代よりも50代の今が楽しい。
歳を重ねるほど楽しくなっていると話します。楽しくなると思って生きていたら楽しくなる、自分に足りないと思うことがあるから人間は成長するとお話されました!

最後には、前回のハイパー縁側に登壇した増谷さんも加わり3人でトーク。お話は続き、名残惜しいながらもお別れしました。今後もぜひ続きが聞きたくなる会でした!

【賀來 寿史(カク ヒサシ)】
木工というコトを伝える木工家
▼二十代
おもちゃメーカー企画開発、森林組合製材所、童具デザイナースタッフなど、クリエイティブキャリア迷走期
▼三十代
家具工房「木の工房KAKU」をはじめる。インターネットからオーダー家具を受注制作販売するというのを日本でもまあはじめにやったほう…
木工家の交流ネットワーク構築に関わりだす。
(これやりすぎて仕事失う…)
これでも無垢材と木組み、かんな仕上げなど、それなりの木工技術に取り組んだ木工迷走期
▼四十代
フリー木工家として、業種業界の壁を越えていろんな人といろんなコトに取り組み始める。「つくれる家具」と「講師業」をはじめたのはこの頃。「木工というコトを伝える木工家」への迷走期
▼五十代
木工で人類の進化に如何に寄与できるか革命迷走中
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