2022年7月21日のハイパー縁側@中津は、皆川ゆりさんをゲストにお迎えしました。
テーマは「地域に入り、楽しみながらはたらく。」

7月30日~31日に開催される梅田ゆかた祭の担当をされていることもあり、ブルーの爽やかな浴衣姿で登場した皆川さん。
皆川さんのご出身は大阪狭山市。大学時代は4年間、体育会系の競技ダンス部でダンス漬けの日々を過ごし、大学院時代もアマチュアで大会に出ていました。いい意味で言うと一生懸命、悪い意味では周りが見えていない状態でのめりこんでいたと話します。

お母様が日本舞踊の先生で、本日の浴衣の帯はお母様による着付け。中高は6年間、筝曲部でお琴を弾いていました。日本舞踊や筝曲など、和の文化に触れてきた皆川さんにとって、ご自身では日本舞踊や筝曲の発表会でしか着なかった浴衣を、梅田ゆかた祭ではみんなが自発的に着ようというのはすごい事、と話します。

大学では住環境や人に寄り添う建築分野を専攻し、まちづくり系の研究室に所属していた皆川さん。学生時代に印象的だったのは、豊崎にある長屋群に関わったことだと話します。もともとはマンションに建て替える計画がありましたが、「こんな長屋群は残さないともったいない」と、大学の研究室の先生とオーナーが話し、学生による長屋改修プロジェクトをしていました。

ただ改修するだけではなく活動を広く知ってもらおうと、「オープンナガヤ大阪」という、その長屋を中心に大阪の長屋40件ほどを一斉公開し、長屋暮らしを実感していただくイベントも開催していました。

長屋にずっと住んでいるおじいちゃんおばあちゃんと、壁1枚隔てて若い学生などが一緒に住み始めていて、「人の生活が横にある」安心感がある、とおじいちゃんおばあちゃんが言うのを聞いていいなと思ったそう。この取組に心が動いたことが研究室を決めるきっかけとなり、社会に出てもこんな仕事をやりたい、という原点になったと話します。

そして卒業後、皆川さんはソフト(見せる)とハード(改修)を両立できる会社で働きたい、と考え阪急阪神ホールディングスに入社しました。

同社には鉄道部門・不動産部門・エンタメ部門があり、多角的に地域活性化に向けて活動できると感じたのと、様々な鉄道会社を受けていた中で、阪急阪神HDでは梅田のエリアマネジメントの話が印象的で、「これだ!」と思ったのが決め手だったそう。

入社後はまず、開発推進部という商業建物(ホテル、スーパーなど)を建てる部署に配属になりました。複合施設や商業施設の開発の担当をしていましたが、せっかくやるならハードだけで終わらせず、開発をすることによる地域への滲みだしがどうできるか、をずっと考えていたと話します。

“一緒にやっていこう”

開発の仕事は、自分たちだけでなく周辺のみんなで一緒にやった方がもっと色んなことが出来るなと考え、「一緒にやっていこう」をどう作るのか、四苦八苦しながら実現させていたそう。開発とはもはやきっかけづくりだと思っていた、と話します。

そのような取組を経て、入社時にもともと希望だった現在の部署へ配属になり、ついに梅田ゆかた祭に関わることになりました。梅田ゆかた祭では、皆川さんは茶屋町会場を担当。
阪急電鉄本社前の公開空地で、堺の手ぬぐいフェス実行委員会さんの屋台出店や注染の実演、上田安子服飾専門学校の学生による、手ぬぐいを使い祭りをテーマにしたファッションショー、ゴスペルライブなどが開催されます!

皆川さんは地域の賑わいをつくるきっかけづくりをしたい、とずっと思っていたそう。今後、表現したいがそれを披露する場がない人が、気軽にできる場を提供できたら、それを梅田でつくってみたい!と考えています。

来場者からも、若い子にたくさん来て欲しいので、浴衣のレンタルの機会はうまくセットアップ出来たら、楽しいのではないか。どこかの旅館で余っている浴衣を週末だけ借りたり、地域の女性会とコラボしたり、ゆかたへの気軽なアクセスを増やすアイデアも出ました!

最後に、これからの5年は梅田が変動する年で、そこに立たせてもらっていることを最大限活用して、賑わいをもたらしたいなと今後の目標をお話されました!
これからの梅田全体を楽しく繋いでいく役割を、皆川さんにもぜひ担っていただきたいですね!

【皆川 ゆり】
阪急阪神不動産株式会社 都市マネジメント事業部 梅田まちづくりグループ
1993年生まれ、大学院卒業まで大阪狭山市のニュータウンで育つ。
2012年、大阪市立大学 生活科学部 居住環境学科に入学。大学では、大阪長屋の保全・活用について研究。戦前の長屋をリノベーションし、若い世代の方が歴史や文化を大切に住み継ぎ、古くから住んでいる方と共存しながら生活する姿に感銘を受ける。
大学院進学後は、豊崎の長屋をメイン会場に約40箇所の長屋を“暮らしびらき”するイベント「オープンナガヤ大阪」の事務局長として、イベントの企画・運営に奮闘する。
これらの経験から、ハードとソフトの両面からまちづくりに関われる仕事をしたいという想いで、2018年に阪急阪神ホールディングスに入社。入社後4年間は、阪急阪神不動産開発推進部に所属し、阪神沿線の商業開発を担当。ハードの開発を主業務としながらも、開発による周辺エリアへの滲み出し、まちのブランディングにも積極的に取り組む。
2022年4月より現部署に異動し、梅田ゆかた祭をはじめとしたエリアイベントの企画・運営や、梅田の将来ビジョンの策定などを担当。
プライベートでは、良い建築を見に旅行に出掛けることが趣味。最近は、旅行先各地のクラフトビールを飲むことがマイブーム。
阪急阪神不動産株式会社
梅田地区エリアマネジメント実践連絡会
梅田ゆかた祭2022
てらまちプロジェクト
あま屋台