2月25日のハイパー縁側@天満橋は、杉本容子さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「水辺からまちをおもしろくする。β本町橋、16年目の開業。」

仙台生まれの杉本さんは、3歳の頃に神奈川県藤沢市に引っ越してから高校生まで過ごした後、大学進学を機に大阪へ。「気づけば、大阪に住み着いていました」と笑顔の杉本さん。
そんな杉本さんは、本日のトークセッションが行われた京阪シティモール通いも長く、ここからの景色は秘密にしておきたいくらい大好きだそう。天満橋は、大阪のど真ん中でありながら、水辺が近く、程よい密度の魅力的なまちだと感じています。

「呑んだ後、川沿いを歩いて帰るのが気持ちよかった〜」と話します。
湘南育ちで海や水辺を身近に感じていた杉本さん。大学進学で大阪に来た当時、友達に連れて行ってもらった大阪の海岸は杉本さんのイメージしていたものとは違ったそう。

しかし、社会人になり天満橋界隈で川を中心にまちづくりをするNPOに出会い、“水辺を変えたら、まちがおもしろくなる”と、真剣に考えている大人たちに衝撃を受けます。
それを受け入れている水辺がとても面白い!と感じた杉本さん。さらに、“水辺には面白い人が集まる”ということにも気づいたと言います。そこから、大阪の水辺に関わり続けています。

杉本さんは大学院で都市環境デザインの研究をした後、実務に関わる為にまちづくりコンサルタントの仕事に従事。次に、発注者側である行政の立場に立たないと変わらないと考え、大阪府庁で働きます。
その間、NPOの活動もしていました。現在は、町内会に属しお母さん業も。

色々な立場で働いてみて、「どこもそこも、色々な事情があって今の状況になっているんだ」と、理解したと話します。

それらの経験を踏まえて、今までとは違う新しいアプローチの仕方が必要という考えに至り、その考えが「β本町橋」へと繋がっていきます。2021年8月にオープンした「β本町橋」の始まりは、16年前に遡ります。

2006年、東横掘川水辺再生協議会(e-よこ会)の立ち上げに仕事で関わった杉本さん。その後は、高架下の暗くて汚い川を綺麗にする為に、地域の方と橋や川の掃除など、できる事から始めていきました。
また、川を活用した社会実験をしたり、船着場を作ったり、水辺を魅力的にしていく活動を地道に続けていきました。

すると、2018年頃に、川辺を一体的に活用して賑わいづくりをする為の公募がでたそう。水辺ときくと、レストラン等を思い浮かべますが、周りに飲食店がたくさんあるのに、よそから飲食店を誘致することが必要なのか。レストランを作る事が、今までの活動の延長線になる拠点となるのか、と杉本さんたちは疑問を持ちます。

長年に渡り活動を続けてきた中で、“いろんな人が使う事が、まちの活力になり可能性を広げる”と、体感していた杉本さんやe-よこ会のメンバー。一般社団法人を設立し、「β本町」の事業提案をして見事、採択されます。

杉本さんたちが、気をつけている事は、“まちにあるものは、機能として入れない”という考え。最近、本町橋界隈では、子供の人数が増えているそう。そこで、子供のお稽古事ができる教室として活用するなど、“まちに足りないものを受け入れる場所”にしたいと話します。

“ハイブリッド公民館”

都心部は地価が高く、ルールが厳しいので、やりたい事もなかなか始めにくいのが現状。しかし、「β本町橋」は、“ハイブリット公民館”として、みんなでこの場所をシェアし、誰でも様々な機能を入れられる場所になっています。

世の中の動きとして公共空間に収益施設を設け、その収益で維持管理をするという指定管理の考えが広まっていると感じる杉本さん。そうではない公共空間の選択肢を示したかった、と話します。

公共が管理している空間が公共空間ではなく、公共的な人材や活動を展開できる場所、プラスアルファの価値を生み出す場所として公共空間があるべきだ、と杉本さんは考えています。

「事業的にはチャレンジングな事をしているけれど、このまちでできた事が、他のまちに伝播していってほしい」と、語ります。悩みに悩んだという「β本町橋」という名称。βには、「実験中」「未完成」の意味があり、生み出し続けるという思いが込められています。

「βらしくて、いいんじゃない?」が、合言葉になっていると笑う杉本さん。
新しい事を始める時に怖くなる時もありますが、「でも、実験中だからいっか!」と、前に進むことができるそう。

仲間たちと前向きにチャレンジを続ける杉本さんのお話は、まだまだ尽きません!
「次回は、β本町橋で朝までやりましょう!」と爽やかにお約束して下さいました!ハイパー縁側@β本町橋の開催が待ち遠しいです!

【杉本 容子】
株式会社ワイキューブ・ラボ 代表取締役 / 一般社団法人水辺ラボ 代表理事 / 都市魅力プランナー / 工学博士 / 一級小型船舶操縦士 / 国内旅程管理主任者
杜の都仙台生まれ、白砂青松湘南育ち、水都大阪に生きるまちづくり好き。
水辺や歴史的環境の魅力づくりを得意とし、NPO活動にも積極的に参加。民間特別任用により大阪府都市魅力創造局立ち上げの政策企画を担当した経験をもつ。
研究者・コンサルタント・行政マン・プレイヤー・お母さんなどまちに関わる様々な立場を実践し、まちづくりの新しいアプローチにトライし続けている。
2021年夏から水辺の拠点「β本町橋」の運営をスタートした。
大阪大学大学院 工学研究科 環境工学専攻 博士前期課程 修了。
株式会社ワイキューブ・ラボ
β本町橋