12月3日の記念すべき第1回目のハイパー縁側@塩屋は、森本アリさんをゲストにお迎えし、旧グッゲンハイム邸の縁側で開催されました!
テーマは、「“最近、塩屋がヤバいらしい”と囁かれていることについて」。

神戸西部の垂水区にある塩屋は、山と海が近い特徴的な地形ゆえに景観が非常に良く、明治・大正期に建てられた古い洋館も現存する特徴的な街です。
その洋館の1つが、アリさんが管理をしている旧グッゲンハイム邸です。

実は昨年6月、グッゲンハイムさんが住んでいなかったことが判明したそうですが、長年親しんだ名称であることからそのまま呼び続けています。

旧グッゲンハイム邸をアリさんが管理し始めた経緯は、14年前に遡ります。
前オーナーは不動産事業者に旧グッゲンハイム邸を売却しようとしていましたが、この建物を残したいという想いがあり、その想いを受け継いでくれるアリさんの家族にバトンを託されました。

現在、旧グッゲンハイム邸は音楽イベントからヨガまで、幅広いジャンルのイベントが開催されるレンタルスペースとなっています。映画のロケにも使用され、2020年ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した『スパイの妻〈劇場版〉』にも登場しています。
敷地内には前オーナーが建てた、元男性寮、元女性寮と2つあり、それぞれシェアハウスとシェアオフィスとして活用されています。

塩屋は山と海に囲まれ、平地が少ない街であるため道路が狭く、塩屋商店街のメインストリートは道幅2mほどしかなかったりします。
そのため、「道が細いと人が近い。自然とコミュニケーションが生まれ顔見知りになるのが早いですね。」とアリさん。

“道が細いと人が近い。”

車が入れない道もあり、再建築不可物件が多いのが塩屋の特徴で、建て替えではなくリノベーションをして使い続けるのが、塩屋流。激しい階段や坂も見方を変えれば、街を楽しむスポットになる、と写真を交えながらアリさんは話して下さいました。街の中の休憩所やバスの停留所には、手作り感満載の椅子がいたるところにあり、そこからも街の人の遊び心を感じます。

「最近、塩屋がヤバいらしい」と若者の間で会話され、休日には若者が訪れるようになっている塩屋。子育て世代も車が入ってこない安全な街ということで、移住されている方もいるとか。
コロナ渦で旧グッゲンハイム邸のシェアハウスの住人が一時期、3分の1になりましたが、それは塩屋でいい物件を見つけて引っ越したから。
「行動範囲が狭まったことで、塩屋の魅力を再発見した人が多かったのでは。」とアリさん。

塩屋は信号機もなく、一昔前まではカッコ悪い街と捉えられていましたが、時代は巡り“環境にいい街・人に優しい街”といった捉え方に変わってきたように感じます。そして、街の人もその不便さを楽しもうとしている方が多い。
そんな塩屋暮らしを表す事例として、塩屋の街を舞台にした音楽祭を紹介して頂きましたが、出演者がほぼ塩屋在住の方、というのが驚きでした。

現在、塩屋では市営住宅の跡地を活用していこうという取組みが進められています。
地域の皆様にブドウの苗をお配りして、育てて頂いた後に植え付けをするということも。

活用できる土地が限られている塩屋において、市営住宅跡地の広いスペースは魅力的な活用の仕方があるのではないかと考えられています。例えば、大人が読書をしながらその側では子供が遊んでいて、老若男女が楽しんでいる、公園のようなシーン。

地形的特徴も重なり、たまたま残った塩屋の風景。
その風景をこれからも残していけるのか、とアリさんは心配されています。
雑多だけれど融合している、“雑多なハーモニー”を奏でる塩屋をこれからも守っていきたい。そのためには、数字でルールを決めるのではなく、感覚的な基準が大事だと締めくくられました。

変わる塩屋と変わらない塩屋。これからの塩屋にますます注目していきたいと思います!

【森本 アリ】
旧グッゲンハイム邸 管理人
1974年生まれ。
「三田村管打団?」や「音遊びの会」などで活躍する音楽家でもあり、ワークショップや音楽祭のディレクターを務めるなど、幅広い活動を行う。
「シオヤプロジェクト」(シオプロ)主宰。
「塩屋まちづくり推進会」「塩屋商店会」など、まちづくりに関する活動も手がける。
著書に、『旧グッゲンハイム邸物語』がある。2020年2月に神戸市北区探訪促進ビジュアルブック『ヤッホー!キタク!神戸市北区借景』を発行。
旧グッゲンハイム邸
シオヤプロジェクト(シオプロ)
塩屋まちづくり推進会
一般社団法人塩屋商店会
三田村管打団?