2021年11月17日のハイパー縁側は、崔 禎秀(Sai Jeongsu)さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「外の世界で経験を積んだ“アトツギ”の挑戦」

10月まで京橋のコワーキングスペース「OBPアカデミア」で場づくりのイベント企画・運営をされていた崔さん。ここ一カ月の間にご実家の家業である不動産会社へ転職。外の世界で経験を積んだ崔さんが実家の“跡継ぎ”としてこれからどのような活動を展開されるのか、を中心に様々なお話を伺いました!

崔さんは元々、OBPアカデミアで多種多様なジャンルの職業の方々とコラボレーションをして、講座・イベントを開催していました。その数なんと、年間1,000回!1日で3回の換算になります。
崔さんお一人でこの回数のイベントを実施されていたとは、衝撃…!

OBPアカデミアが設立された当初は、なかなか思うように会員も増えない状況だったと話します。そこで、日本で初めてコワーキングを開設された崔さんの師匠へ相談をしたところ、「イベントをやれば、そこからなにか起こるよ!」との言葉が返ってきました。

この言葉を受け止め、「それならひたすらイベントをしよう!」と年間1,000回の開催に向けて走り出したと話します。後で師匠に報告したところ、「そこまでやれとは言ってない」と言われたとか…。笑

そこからは、企画や宣伝チラシの作成に追われる毎日を続けながらも、この仕事は自分の性に合っていると感じていました。
沢山の人に会ってご縁が広がり、新たな仕事や活動が生まれていく。運営会社の代表からも、会社にとってだけではなく自分にとっても良いことをするように言われており、毎日楽しく面白く仕事をしていたと話します。

しかし、新型コロナウィルスの感染拡大に伴いコワーキングスペースの開放も物理的に難しくなり、講座・イベントの運営も雲行きが怪しくなります。

また、同時期に結婚をして家庭をもち、子供も生まれました。以前までは「どうにかして売上をあげよう!」といった気持ちで土日も返上、昼夜問わない勤務も是としていましたが、家族が出来た事を機に、生活や大切にしたい事に変化が起こります。

現在、崔さんにとって最も大切なことは「息子との時間、家族との時間」。子供やパートナーと過ごす時間を最優先にするためには、「以前と同じ働き方ではなく、その時間を捻出するための工夫をどのようにするか?」が最も大切だと考え、新しい次の道を選択する事を決めました。

新しい職場は実家の家業でもある不動産会社です。所有している物件の賃貸管理など、以前の職場とは180度異なる仕事に戸惑いつつも、必死で食らいつく毎日です。
今は自宅と職場の行き来のみ。午前中にすべての仕事を終わらせ15時には帰宅し、奥様と役割をバトンタッチ、崔さんが息子の面倒をみて奥様は仕事をする、といった工夫をしているそうです!

新しい仕事については、目下のところ社長の後ろについて、とにかくひたすら学び続ける日々。父親でもある社長はどの様な事を考え行動しているのか、社長が話す内容をすべてメモをして分からない所は自分で調べ、あとで質問をしています。

“守・破・離”

時には税務署で、「こんなことも分からないのですか。」といった厳しい対応をされる事もあるそう。しかし、「既にある物事を理解し、ついていく。理解できないと、同じ事は出来ない。同じことが出来ないと、次の新しいことに挑戦できない。」という想いで、めげずに食らいついているそうです。

利益を最優先するのではなく様々な人と繋がり、関係を育み、地域に開かれた建物づくり・街づくりをしたいと話す崔さん。
早く現社長の職務を引き継ぎ、自分なりの不動産の活用の仕方をしていきたいと考えています。

熱い想いを持ち、一歩ずつひたむきな努力をし続ける崔さんの姿に感銘を受けた時間でした!今後のご活躍を楽しみにしています!

【崔 禎秀(Sai Jeongsu)】
株式会社ソンサン 総務課長 / 元OBPアカデミア 学びと共創事業部ディレクター
大阪生まれ大阪育ちの在日コリアン3世。
大学卒業後、チョコレート関連のベンチャー企業やゲストハウス事業部を新設した不動産会社、生命保険代理店を転々とし、前職は大阪・京橋にあるコワーキングスペースに勤務。
累計2500回の講座・イベントの場づくり責任者を務めた。
現在は家業である不動産会社の仕事に全集中。
いろいろと企みを考えながら、コツコツ働いております。
OBPアカデミア