9月30日のハイパー縁側は、中川悠さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「障がい者スタッフが、社会課題を解決する“未来のヒーロー”になる。」

中川さんは母方の実家が精神病院をやっていて、父親が義足の研究員で身体障がい者支援をする両家のもとに育ちました。最初は雑誌の編集者をしており、2007年に株式会社GIVE&GIFTを、2012年にはNPO法人チュラキューブを立ち上げました。

中川さんは元々社会課題解決に興味をもっていて、雑誌での経験から自身で書き雑誌を作ることができ、HPを作れるスキルを生かして活動しています。

会社では社会の無関心を関心に変えるにはなにができるか?とイベントやワークショップ、メディア発信をしています。農業や伝統工芸を知る取組をしたり、新聞の月1回連載で社会課題解決に取り組む人を取材したり、新聞配達と社会的弱者との連携など様々な活動をされています!

障がい者をめぐる社会課題についても、お話されました。

1つ目には障がい者の工賃がとても低いことがあります。全国で33万人が通う、B型事業所と分類される施設の全国平均は、月20日間ほど働いても月額16,000円ほど。さらに施設への交通費は自腹だそうです。

障がい者が関わる仕事は軽作業、清掃、農業、パンなどの食品製造、木工などです。なんとかして工賃を上げたい、そのためには施設の売上を上げようと、学生とコラボしフェアトレードをかけ合わせたロールケーキを開発すると人気が出て工賃が上がったそう。他にもスキャンサービス、お墓参り代行サービスなど仕事を作って残していく活動を中川さんは10年ほどかけて進めました。

2つ目の課題は、福祉施設の職員は支援のプロですが、営業や製造のプロではないこと。企業と組むことやブランディング、マーケティングを知らないことが障がい者の工賃が上がらない原因だと考えます。その中で国は収益を上げることが自立だと考えており、中川さんたち自身でも立ち上げようと動きます。

企業から実態として相談があるのは、企業で雇わないといけない障がい者の人数も増える中で、実際障がい者の雇用方法や仕事の作り方、雇用管理がわからないこと。一方で、社会課題解決に取り組むNPOは近年増えてきていて、活動を続けるために人材を求めています。さらにコロナ禍で助成金・寄付金が集まりづらいという課題を抱えています。
そこで、その両者のマッチングをしています。それが新しい障がい者雇用の取組「ユニリク」です。

企業の中では、中々働く環境を作れなくても出向の形で障がい者に仕事をつくり、それにより企業の障がい者雇用率を達成するなど社会貢献につなげることができます。

一方NPOは人件費を企業に払ってもらいながら、障がい者に優しく理解があり、働き続けられるスキルを身につける環境をつくることができます。これはテレワークが進む企業では難しいこと。この取組を通じてNPO、企業、障がい者が全員ハッピーになる環境をつくっています!

“得意を活かし合う”

障がい者から相談があったときに、接し方は普通でいい。特別なことと思うこと自体が、ずれを起こしていると中川さんは話します。何が得意で、何が苦手でというそれぞれのくせを活かし合いながら、働ける場所をつくるのがいい職場。その方といっぱいお話して、何が得意かを見極めていくことは障がいに関わらず誰しも同じです。ただ、気遣いは必要だとお話されました。

課題をもつ当事者をつないで社会にインパクトを起こしていく、中川さんのこれからの活動にも注目ですね!

【中川 悠】
特定非営利活動法人チュラキューブ 代表理事 / 株式会社GIVE & GIFT 代表取締役 / イシューキュレーター
1978年、兵庫県伊丹市生まれ。
近畿大学 商経学部、大阪市立大学院 創造都市研究科 卒。
精神病院を経営する母方の祖父、技師装具の開発をする父を持ち、大阪の情報雑誌の編集者になった20代。
障がい者福祉、高齢化、産業の低迷など、日々、目の前に起こる「社会の困りごと」を、どうにか解決できないかと、2007年に株式会社GIVE&GIFTを、2012年にNPO法人チュラキューブを立ち上げる。
2014年には大阪・淀屋橋に「オフィス街のランチカフェ×障がい者福祉施設」をテーマにした、就労継続支援事業所をプロデュースし、2016年度グッドデザイン賞を受賞。
その他、2019年には、大阪市住吉区の高齢者地域の食堂を「地域の孤食支援×障がい者福祉」にしたことで、2度目のグッドデザイン賞を受賞。
さらに健康寿命を伸ばそうAWARD2019では厚生労働大臣 団体部門 優秀賞にも選ばれた。
関西大学、近畿大学にて非常勤講師を務めるなど教育分野でも精力的に活動を行っている。
特定非営利活動法人チュラキューブ
株式会社GIVE & GIFT