2021年8月23日のハイパー縁側は、NPO法人D×P(ディーピー)で定時制高校に通う若者たちの生き方をサポートする活動を行っている宮﨑さん(以下、さんちゃん)をゲストにお迎えしました!
トークテーマは「人と関わりながら、生きる」。
「あなた」が抱えるモヤモヤに「私」はどう寄り添う事が出来るのか、「社会で人と共に生きる事」についてお話をしました。

さんちゃんは、5月に登壇いただいた大森さん、6月に登壇いただいたあかねまるさんと同じく、生き博の主催メンバーです。

“生き博=さまざまな領域で仕事・チャレンジ・活動している人の「生き方」を知り、じぶんはどう生きていくのか、見つめなおし、話し合うトークライブイベント。”

本業であるD×P(ディーピー)での活動をきっかけにあかねまるさんと出会い、生き博の運営にも参画する様になりました。 生き方を模索している人々が集まり、話すことで、それぞれの生き方に優劣はないのだと肯定していく事が大事だと話します。

そんなさんちゃんは、三重県名張市という小さい村のような場所で生まれ育ちました。幼いころから読書を趣味としていましたが、実家の近くには図書館がないため、2週間に1度くる移動図書館で大量に本を借りるような生活だったと話します。

現在は、NPO法人D×Pにて10代の孤立を防ぐというビジョンのもと、夜間高校や通信制高校に通う高校生にむけて、様々な活動をしています。

具体的には、「クレッシェンド」という高校生と社会人が対話をし、繋がりをつくる事業や 「居場所事業」という高校の教室で、生徒がだらだらしたり、気軽に相談できるような場所をつくる事業に携わっています。

D×Pでは、スタッフ・ボランティアともに、「否定せずかかわる」「一人一人と向き合い学ぶ」という姿勢を大事に、高校生と接するようにしています。常に意識し続ける必要があり、慣れてきたからといって習得した気にならないように心掛けている様です。

学生時代、進路を決める際には、一般企業への就職も考えていました。しかし、自分の興味・関心と一般企業への就職がなかなか結びつかったため、就活はやめ、自分のやりたい事ができる場所を探すことにシフトチェンジしたそうです。

“人と繋がり、生きる”

さんちゃんにとって、日常生活の希望、生きる目的は、人と繋がることだと話します。普段、精神的に苦しいというわけではないけど、この先の未来に希望があるかといったら、そうとは感じられず、生きる目的を見出すのが難しい。だけど、生きる面倒くささや辛さを和らげてくれるのが周りの人たちである、とこの1年間で強く実感しました。

仕事上、生活が苦しい人・生きづらい人と関りを持つ事が多いのですが、そのような社会の課題に向き合っていると、課題の複雑さ・巨大さを実感し、自分のエネルギーをも消費してしまうと話します。 そんな中、エネルギーを補給できるところが、家族・友達との繋がりであると感じています。

さんちゃんは、社会全体で大きくなっていってる物理的・精神的な生きづらさを解消していきたいと思ってはいますが、
「しんどいな」と感じている人が、しんどいまま、何となく生きていける社会がつくれたらベストなのではないか、みんながみんなポジティブにならなくても良いのではないか、と考えます。
ある場所にフィットしなかった時、他の選択肢に逃げられるような寛容な社会であることが、誰しもにとって良い社会なのではないかと話してくれました。

最後に今年のやってみたいことについてお聞きすると、やってみたいことは沢山ふわーっとあるけれど、目標は立てずに生きているとお話ししてくれました。
数ある気持ちや考えをゆるっとまとめ、人と繋がりながら、社会と向き合い試行錯誤するさんちゃんの今後の活動もとても楽しみです。

【宮﨑あゆみ】
認定NPO法人D×P(ディーピー) 職員
1996年生まれ24歳/三重のど田舎出身
認定NPO法人D×P(ディーピー)職員。定時制高校で校内居場所事業や、人とのつながりをつくる授業「クレッシェンド」を運営。
そのほか生き博KANSAIスタッフをするなど「人との関わり」をテーマに、ジェンダー、政治、まちづくりなどいろいろ関心のタネを育て中。
好きなこと:人/自然/本/ラジオ/気の向くままに踊る
認定NPO法人D×P(ディーピー)
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