2021年8月13日のハイパー縁側は、藤田義人さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「お茶文化を通じて網島と天満橋をつなぐ」

とても可愛らしいTシャツで登場した藤田さん。3つの団子の絵柄に「見る」「聞く」「話す」と、藤田美術館が目指すテーマがプリントされたオリジナルTシャツ(非売品)がよくお似合いです。

藤田さんは、2022年4月にリニューアル予定の都島区網島町の藤田美術館内に、2021年4月から茶屋をオープン。現在も運営されています。

こっそりとゆる〜く実験的に開けたつもりの茶屋ですが、アップルストア?ディーラー?と思われるようなガラス戸で丸見えの外観が目をひき、さらにはオシャレな女性を中心とした若者たちがSNSで発信することで話題になり、連日賑わいを見せています。

夏休みには中高生が訪れるほど敷居も低く、お団子とお茶のセットでワンコイン500円という驚きの価格。そんな地域に根ざしている茶屋ですが、お茶を淹れるお茶碗は伊賀焼(三重県)の作家さんの作品であったり、おぼんは岐阜県の木工作家さんの作品。

作家さんが想いを込めて作ったものに直接触れてほしい、作り手の想いの橋渡しの場でありたい、と語る藤田さん。
まずはシンプルにお茶と団子を愉しんでもらい、そして様々な作家さんに出会う場でもあって欲しいと話します。

昔から大阪は水の都、流通の都として栄えてきました。その中で様々な商品が全国から集まってきました。お茶もそのひとつで、大阪では生産ではなく『製茶』の文化が発展してきた歴史があります。

お茶文化と聞くと、近隣の京都府や三重県の方がピンとこられる方も多いですが、大阪では様々な地域から多様なお茶が集まり、品評をしたりブレンドしたりと、お茶が身近なものになっていきました。

そうして、急須で淹れたお茶の時間を楽しみ語る、というお茶文化が根づいていきました。
それが時代の変化の中で、手軽に飲める缶やペットボトルの登場によって、お茶を取り巻く環境は昨今大きく変わっています。

一見、ペットボトルのお茶の登場が、昔ながらのお茶文化の衰退に繋がったのか、と思われがちですが、ペットボトルがなければもしかしたらお茶文化はもっと絶えていたかもしれない・・と藤田さんは考えます。

“お茶文化を 伝える”

ペットボトルのお茶の良さも認めつつ、今一度ルーツに立ち返り、ペットボトルでは味わえない、お茶の葉から抽出して飲む美味しさや、時間を感じてほしい!という想いが茶屋を始めたきっかけのひとつだったそうです。

話題は茶屋で提供しているお団子のお話へ。
人に訴える、ここにしかない団子を作ろう!とスタートした団子作り。“醤油の焦げた匂いが嫌いな日本人はおらんやろ(笑)”と、まずは醤油団子作りからスタート。

醤油に合うような弾力や歯ごたえを求めているうちに、地元の和菓子屋さんが「一緒に考えまひょか?」と協力してくれ、米粉を使った絶妙な弾力の団子が出来上がりました。

さらにあんこに関しても、どうしようかと悩んでいると、北浜の老舗和菓子屋さんが「一緒に考えまひょか?」と協力してくれ、小豆の風味がしっかりする自家製あんこを炊けるまでになりました。

子供達からも「お抹茶を初めて飲んだ!お団子おいしい!また来週来るね!」と嬉しい声を頂いています。

最後に、藤田さんが考える網島の魅力について訊ねると、桜の時期と天神祭の時以外は、「いかんせん人が来ない・・」と笑う藤田さん。隠れスポットと言うよりは、隠れ過ぎているのかな、と苦笑。

しかし、本当に緑豊かで自然を感じられる素敵な場所なので、今後は美術館のオープンも控える中、茶屋のエントランスで何かを発見したり触れたり出来るなど、何もない場所に少しずつ人が集まり出来上がっていく場になってほしい、と語ります。

そして、『あみじまスクエア』と呼ばれる場所になれば!と野望を語って頂きました。

日常的だけど日常から離れているお茶文化を感じ、広めようとする方々が藤田さんの周りにたくさんいらっしゃいます。そんな仲間たちからまだまだ学びたい、と藤田さん。

「なんせ団子を食べに来て」と最後まで穏やかに笑顔でお話してくださった藤田さん。
お茶の様々な楽しみ方を感じられる“あみじま茶屋”、是非ともふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょう。

【藤田 義人】
株式会社あみ壱 あみじまプロジェクトメンバー
ホテル業界にてサービス業を経て、2017年に会社設立。
藤田美術館内に、お茶を通して文化に触れられる、緑豊かな網島(あみじま)の新スポット、あみじま茶屋を2021年4月オープン。
お茶のお供に毎日だんごを焼いてます。
公益財団法人 藤田美術館
fujitamuseum_official
あみじま茶屋