3月11日のハイパー縁側は、中津のキタの北ナガヤで“みそ汁食堂みそら”を営まれる小百合さんをゲストにお迎えしました。
テーマは、「次世代へ繋ぐ~おふくろの味・ふるさとの味・家庭の味~」

1時間待ちの日もあるという大人気の“みそ汁食堂みそら”。
この一杯を飲んで明日の仕事を頑張ってほしい、子供達に日本の味を知って、大人になって思い出してほしい、本当の出汁の味や味噌の味を知って日本の味をつないでほしいとの思いから、時間はかかりますが注文が入るたびにみそ汁を1杯1杯つくっています。

そんな活動を通じて、自分の役割・コミュニティを複数持つ暮らしが自分にとって幸せで豊かな暮らしなのではと感じています。それがオンラインでもできると感じた1年だったと振り返ります。

これまで19年半にわたり、困窮支援等を行ってきた小百合さん。
特に子どもの困窮に関する負の連鎖について、どのようにすれば止められるのか、誰かが手を差し伸べることで止められないか、とずっと考えてきました。
しかしながら、福祉という行政の規定に則ったアプローチでは限界があると感じ、“食”という全く異なるアプローチをすれば解決の糸口が見えるのではないか、と考えました。

小百合さんにとっては、子どもの頃に食べていたおばあちゃんの料理の数々が思い出の味で、今でもその味を思い出しながらメニューを考えています。
ある時、塾に行くために毎日コンビニでお弁当を買う子供達の姿を見て、このままではいけないと思ったそう。
「大人になっても思い出す“思い出の味”を子供に知ってほしい」との思いから“みそ汁食堂みそら”をオープンされました。

“子供に、思い出の味と心の豊かさを”

“福祉”を都々逸で言ってみると、「ふつうの くらしの しあわせ」になります。
福祉の世界では、お金に困っていなくても気持ち的に豊かに満たされていなければ「困窮者」と考えますが、小百合さんは気持ちの安定が一番重要なのは子供だと考えています。

例えば、子供の時に親から離れなければならなかった子供たちは、お皿洗いや料理をするといった事が身に付いていません。
現在のお店は不特定多数の方に来店して頂いていますが、ゆくゆくは親の味を知らない子供たちにお米の研ぎ方などを伝えるお店をしたいそう。

中津の良さは、応援してくれたり、しっかり話を聞いてくれたり、人間的に豊かな暮らしをしていて、温かい人が多いこと。
そんな中津で、これからも味噌汁を出し続けたいとお話しされます。

今年の目標は拠点を持ち、社会に出ることを恐れる若い子たちが、安心して社会に出るきっかけになる場所をつくること。
そのような子たちがお皿洗いや食器の片付けなどの簡単なお仕事をして、温かい人たちに囲まれるうちに、笑顔を見せる回数が増えて欲しい。
また福祉業界ではない人たちと接する機会が増えれば、自分に自信がついたり、人が怖くなくなるのではないか、と考えておられます。

複雑な問題だからこそ、深刻にとらえ過ぎず楽しさや明るさを大事にすることが大切なのかもしれません。
小百合さんの明るい笑い声に、温かな気持ちとなった回でした。

【浅田 小百合】
みそ汁食堂みそら 店主
キタの北ナガヤ 毎週火曜日と奇数週の土曜日open。
2020.2月~、キタの北ナガヤ『多目的レンタルスペースshiten』にて、間借り食堂『みそ汁食堂みそら』を開店する。
ふるさと四国のいりこだしと麦みそをメインとし、丼ぶり並みに大きなお椀で食べる具だくさんのおかずみそ汁、おむすびとお惣菜を提供しています。
長く困窮支援等に従事し、『食=生きること』であることを実感しました。
次世代に向けて、おふくろの味・ふるさとの味・家庭の味をしっかり繋ぎたい!
また、子供の粗食化を防ぎたい!
一杯のお味噌汁を、大きなおむすびと栄養満点のお惣菜を、明日の活力にしてもらいたいと思います。
『ただいま!今日のご飯何?!』
第2のふるさとと感じる空間を目指します。