2021年3月10日のハイパー縁側は、“接点デザイナー”の平山健宣さんをゲストにお招きしました。
テーマは「“接点”について」。

最初は「人との“接点”が増えたらいいな」という思いでご自身の会社を「setten design」と名づけましたが、接点について考えるうちに
いわゆる“接点”とは違う意味になってきているのでは?と思い“接点デザイナー”を名乗るようになりました。

この日、平山さんが用意してくださったスライドには4つの数字と12個のキーワードが並べてあり、それぞれについて聞いていくスタイル。

例えば“竜巻”。
竜巻は発生が予測できるものの本当に発生するのかわからない強烈な上昇気流ですが、それは仕事と似ているそう。
チャンスがあると思って行ってもなかったり、チャンスに手が届いても実力がないと弾き出されたり。
だからこそ、人に出会うチャンスを自分から掴みにいくことと、そのチャンスを実際に掴めるための自分磨きをして実力を磨くことの両方が大事だとお話しされます。

また、平山さんが一番得意なのは“修正力”。
「思い立ったが吉日」な性格で、見切り発車で物事を始めることが多いそうですが、それでも年月をかけて修正してきたことで、今に繋がってるなと感じられるそう。
スタートをためらう人が多い中で、「やってみなきゃわからない」とご自身が真っ先に飛び込んでみることがご自身の強みであり、自分の役割だとも感じています。

“デザイン”とはクライアントの要望を超えて返すことであり、決して受け身ではないそう。また、“ブランディング”や“デザイン”のイメージは人によって違うので、あまりそれらの言葉を使いません。
対話をすること自体が楽しかったり学びになる、そして対話したことを実行することが課題解決になる。これは実はデザインですが、“デザイン”という言葉から入らないことを大事にしています。

このようなことは“関係人口”として地域に入る際も同様で、まずは「ヒランケン」として地元の方々と仲良くなることを大切にしているため「デザイナー」と自己紹介することが少なくなってきたそう。

仲良くなってから「そういえばあんた何してるの?」と質問されてから自分のことは話します。
自分からぺらぺらと自分の話をするのは相手に嫌がられてしまいます。
質問されて初めて答えるチャンスをゲットするので、見た人が思わず聞きたくなるような質問してもらえる仕掛けをたくさん作っているそうです。

“接点”

接点と聞くと“点”をイメージしがちですが、そこにいたるお互いの準備などの前後の“物語”があってこそいい接点になるそうです。
過去から現在、未来を予測して物語を紡いでいくのがデザイナーの役目なので“接点”とデザイナーの相性はいいのだそう。

想像していたよりずっと広い意味を持つ“接点”の世界に触れた回になりました。

【平山 健宣(ヒランケン)】
接点デザイナー / setten design株式会社 代表
2010年より京都芸術大学非常勤講師。
アカンサスタイポグラフィスクール修了後、佐藤淳氏、ヘルムート・シュミット氏に師事。
タイポグラフィを基軸としたデザインをはじめ、企画立案から展示計画まで、接点を丁寧につなぐことをモットーとする。
setten design