2月26日のハイパー縁側は、宇佐美直八さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「文化財を修復し、未来を伝える」。

宇佐美さんは現在62歳。大学卒業後に宇佐美松鶴堂へ入社し、修復技術を学びながら海外の美術館や博物館を見て回りました。
イギリス大英博物館やパリ ギメミュージアム・ボストン美術館・スミソニアン博物館など海外の美術館では、日本の美術品の修復を日本の技を身に付けた技術者が現地で行っているためです。

宇佐美松鶴堂では宇佐美さんの祖父の時代から、「自国の日本の美術品の修復をしたい」という想いで京都に来る外国人の研修生を受け入れてきました。日本の美術品の修復の技術を身に着けた彼らがフランスやベルギー・アメリカへ戻る事で、ネットワークが出来てきました。

それまでは外国の美術館にある美術品の修理は里帰り修理(日本へ送り、修理をして送り返す)をしていましたが、美術品の運搬にはリスクが伴います。日本の技を覚えた技術者が育った今では、それぞれの国で日本の美術品の修復がされるようになってきました。

一般的に、文化財の修復は50~70年のサイクルで修理されます。使われている材料は和紙や膠・穀物由来の糊など自然の素材。自然で作られている材料は修理もしやすく、先人の皆様も将来修理をする時の事を考えて修理されてきたため、宇佐美さん達も同じような自然の材料で修理をされています。

“暗いと不平を言うよりも、進んで灯りをつけましょう”

宇佐美さんは植柳小学校が閉校になり寂しくなった西本願寺の門前町を活性化させるために、植柳まちづくりチームを立ち上げました。

だんだんと人が少なくなってきているのを何年もぼやいていましたが「不平を言うよりも何とか行動に出よう!」と、全国から西本願寺へ参拝へ来られる皆様をきれいな門前でお迎えするために、親鸞聖人のご命日にあたる毎月16日に清掃活動を始めました。

月1回の掃除は最初、西本願寺門前の人達8名程で朝7時から仕事が始まるまでの時間で始めました。始めた頃はゴミ袋がいっぱいになりましたが、回を重ねるごとにゴミは減ってきていると実感します。無理をすると続かないので、目標も作らずやんわりと続けていたら気付けば100回になっていたとか。現在も無理をせず雨や雪の日以外は清掃活動をしています。

植柳まちづくりチームでの活動は他にも、ゆるきゃら「おりんちゃん」による“おりんで風鈴祭り”や西本願寺のすす払いへの参加、植柳チーム・西本願寺・東本願寺・各門前・下京区の皆様が一体となって交流する“大忘年会”など、エリアや所属を超えて多岐に渡ります。

宇佐美さんは街の魅力を「歴史的に古くて高層ビルもなく、時代の流れがゆっくり流れているところが良い。」とおっしゃいます。今でも街のツアーガイドをしながら、色々な発見がある事を常に感じていいます。

最後に、市民緑地の活用方法について。「ここは京都駅前のセントラルパークのようなもの。京都駅を活用される方や京都市立芸術大学(2023年移転予定)の学生の皆さん、渉成園の来園者など多くの人通りがあります。緑地だけではなく、地の利を活かしてエリア全体が一体となった計画もできるのではないでしょうか。運営もあまりルールばかりつくってしまうと続かないので、ゆるくできたらいいですね。」と締めくくられました。

【宇佐美 直八(うさみ なおはち)】
植柳まちづくりプロジェクトチーム/株式会社宇佐美松鶴堂 代表取締
昭和33年 8月11日 京都市生まれ。
◎業務関係
▼昭和58年4月 大学卒業後、㈱宇佐美松鶴堂に入社。文化財修復技術を習得しながら、
先代の下で育った技術者が各国博物館で従事している各現場を視察協力。
▼平成14年 代表取締役に就任。
▼平成26年11月 8代目直八逝去(平成24年10月25日)に伴い、9代目直八を襲名。
主な工事としては、京都迎賓館表具工事、東西本願寺の阿弥陀堂及び御影堂障壁画修理、国宝及び重要文化財の襖絵や掛軸、古文書類の修復など。

◎奉仕活動など
▼西本願寺用達会/開明社
御正忌報恩講や宗祖降誕会など法要行事のお手伝いを中心として奉仕活動。
平成16年~25年までの10年間、理事長としてつとめる。
▼東本願寺用達会/保信会
御正忌報恩講など法要行事のお手伝いを中心として奉仕活動。
▼西六条協賛会
西本願寺の法要行事などに参加協力。
現在、世話人代表をつとめる。
▼植柳まちづくりプロジェクトチーム
平成21年3月16日から、毎月16日に清掃活動を始める。
スタッフを構成し『植柳まちづくりプロジェクトチーム 』結成。
現在、代表をつとめる。
▼植柳自治連合会
運営委員(準)として、地元地域の活動に参画する。現在に至る。
株式会社宇佐美松鶴堂