東本願寺前に新たに整備される京都市初の「市民緑地」の整備に向けた機運醸成事業の一環として始まったハイパー縁側@東本願寺。1月29日は福永荘三さんをゲストにお迎えしました!
テーマは「一人の門徒として東本願寺の正面から考える市民緑地の将来像」

生まれも育ちも東本願寺界隈で今年59歳になる福永さん。幼少期の福永さんにとって東本願寺は「大人が見守ってくれている広くて安全な場所」で、友達と手を繋いで道を渡り鳩と遊んだり、ビー玉やめんこ・ベーゴマで遊んだり、女の子と鬼ごっこやかくれんぼをしたりと、子供の頃からお庭のように遊んでいました。

福永さんは寛政九年(1797年)創業の 福永念珠舗の9代目当主。9歳から念珠を作り出し、先々代の弟子として技術を学び、中学生の終盤に先代の弟子となり、お父様が病気で倒れられた事もあって35歳という若さで社業を継承しました。

昔の写真を元に、東本願寺前がどのように変化してきたか説明されました。昔は現・緑地帯の付近まで街(寺内町)がありましたが大火の際に燃えてしまい、その再整備の際にそれまでは裏通りであった福永さんのお店が表に出る形となり、現在に至ります。

市電の線路が大きく曲がったのは東本願寺への参拝客が多く、法要の際などは東本願寺の白洲に入りきらない程であったので、線路も緑地の西側へ大きく迂回して敷設されたそうです。

また、現在の緑地帯の桜は福永さんのお父様が植樹されました。緑地帯にはもともとイチョウしかなく、報恩講の時期はイチョウの黄色が美しいものの、春の法要の際は華やかなものはありませんでした。そこで「春らしい法要に来て頂きたい。」との想いから緑地帯に桜の植樹をされたそうです。桜の水やりも、植樹時期にちょうど線路がなくなったのでご自宅から緑地帯までホースを引っ張ってきて、水をあげていたとか。

現在はバスで来られる団体参拝が多いですが、当時のお参りは門徒さんが夜に汽車で来られて宿泊し、次の日の朝一にもお参りして帰るような、のんびりしたものでした。

商店街の皆様も「何か持って帰って頂こう、良い気分で帰って頂こう。」との思いで接していたため、福永さんのお父様も緑地帯で人が賑わう事を大切にされていたそうです。

近年、東本願寺の御影堂門前で行われたサマーフェスタの際は、手作り念珠体験を主催されました。1人2個の念珠を作ってもらい、1つは自分が作りたいもの、もう1つは普段お世話になっている方に作ってあげるものとし、その人に似合う色や大きさや並べ方を考えてもらいました。

“感性を大事に”

大人は決して子供の行動に対して「ダメだ」とは言って欲しくない、と福永さんは話されます。たとえ太陽や川に、普通とは異なる色を使っていても、その子にとってはそのように見える“感性”なので、その“感性”を大事にして欲しい。大人は、子供の視線まで大人がしゃがんで子供の行動を一度飲み込み、子供の「やりたい!」というパワーをどのようにすれば実現してあげられるかを考えることが大事、とお話しされます。

これまで観光客や一般の方々がこの地域で足を止める事はそう多くありませんでしたが、市民緑地ができることで様々な趣のあるイベントが緑地帯で出来るのではないか、と考えておられます。マーチングバンドやSL走行、直線三輪車大会など、福永さんのアイデアは尽きません。

御影堂門の下で開催しているハイパー縁側は、ちょうど縁側で話しているようなものだそう。福永さんの活動は、まさに〈縁側の先の庭づくり〉のようなもので、その庭でどんな人達が、どんな笑顔を見せてどんな風に楽しんで頂けるかを思い描ければ、良い緑地になっていくのではないか、とお話されます。

最後に次回ゲストの梯さんへのメッセージとして、「ここ(御影堂門)で開催しているハイパー縁側の場所が、東本願寺さんと市民や商店街の皆様との縁側の淵と思っています。これからどのように一緒に考えて関わっていけるか、解き放たれた場所・機会をぜひもって頂きたい。」と締めくくられました。

【福永 荘三】
東本願寺前商店会 副会長/株式会社 福永念珠舗 代表取締役九代目社長
1962年 京都府京都市出身
1985年 愛知県知立市 有限会社 愛知屋総本店に3年間修業のため就職
1988年 株式会社 福永念珠舗入社
1997年 株式会社 福永念珠舗 代表取締役九代目社長に就任。現在に至る。
子供の頃は遊び場であった東本願寺。親鸞さまのお手継ぎ寺院 真宗大谷派 光久寺の総代を35歳より勤め、現在は真宗大谷派 京都教区山城第一組門徒会長、京都教区門徒会、参議会議員 同朋議員団事務局長等を勤める。
また真宗大谷派の中央門徒戸数調査委員会、財産管理審議会の委員も勤める。
東本願寺前商店会では、会長職を終え現在副会長を務める。会長の時には商店会水銀燈のLED化、京都市条例による店舗看板一掃撤去を行う。
京都物産出品協会において、理事、専務理事を経て現在、副会長として日本全国の百貨店の催事販売にて京都の産品を販売するだけでなく、京都市、京都市観光協会、京都商工会議所とともに主催し、京都の観光や情報も発信しています。
福永念珠舗