2021年1月19日のハイパー縁側は、小早川勝平さん・辻本真美さんをゲストにお迎えしました。
テーマは「旅のある暮らし」

お2人は大阪の豊能郡能勢町ご出身。勝平さんは、25歳から協力隊で2年間フィジーで活動されました。その後、地雷処理機を製作販売する会社で、現地スタッフに機械のメンテナンスや運転の方法を教えるためアフリカのモザンビークとアンゴラで活動し、能勢に帰ってきました。

真美さんは専門学校で絵本を学んだ後、個展を軸に活動されてきました。現在もイラストレーターとしてお仕事をされていて、勝平さんとのご結婚を機に能勢に帰ってきました。

勝平さんは豊富な海外経験をお持ちです。協力隊になるきっかけは、バックパッカー旅をして海外が面白いと感じ、自分も行った先の国で帰る場所がほしかったからというユニークな理由でした。フィジーの職業訓練校の自動車整備科講師として派遣され、任期中も与えられていたアパートではなく、フィジーの現地の人の家で家族のように暮らしていたそうです。

その後地雷処理機の会社での仕事を経て能勢に帰ってきて、隣の家のおばちゃんに栗の木の周りの草刈を頼まれたことから、能勢の名産品である栗と出会います。それをきっかけに、知り合いの方の紹介からフランス南部の栗農家でのファームステイに行くことに。そこでの生活がいい意味での質素さがある暮らしで、幸せを感じたそう。今の能勢での暮らしにも影響を受けているそうです。

お2人は現在暖房を使わず、自分たちの山の木を間伐して薪ストーブで生活しています。暖房の電気代を稼ぐために働くことと、薪を割って自分で暖をとること。どちらも「働く」という行為ですが、薪を割る方が自分の時間の使い方として楽しいと感じています。

真美さんは田舎が嫌で外に出たので不安もあったそうですが、能勢に戻ってきて徐々に良さを感じているそう。お金のために働くということがずっとできず苦しい思いをしてきたそうですが、最近そこから解放されてきて、色々な暮らし方があっていいんだと思えるようになったそうです。
お2人とも今の人生を楽しんでいるのが、話す様子からとても伝わってきます。

 

昨年10月には、自宅の古民家を試行錯誤を重ねながらリノベーションし、薪ストーブのある素敵なゲストハウス、アトリエトナリを始めました。

お2人が考える、これからの生きる力。勝平さんは、”マキタの18Vのチェーンソー”。これで裏山の枝を切りたいそうです。真美さんは、より田舎にある家での”自給自足の生活”だと考えています。

“地球規模で自分を見ること”

真美さんが最近考えているのは、自分視点でなく雲のはるか上の高い視点から、地球規模で自分たちの暮らしを見ることだそうです。そこから見れば、日々の暮らしのささいな不満をあーだこーだ言うのは本当に小さいこと。そんなことを気にして生きるのではなくもっと面白いことがある、やれることがあると感じています。

自分たちの生活の豊かさの根源はもっと単純なことで、地球あってこそのものだと感じることが、生きる力だとお話されました。

当日はバックパッカー時代〜栗修行時代〜能勢町のゲストハウス時代と沢山のお写真を用意して頂きましたが、内容も濃く、バックパッカー時代で盛り上がり会は終了。続きのお話は、ゲストハウスの改修が終わる3月以降に出張ハイパー縁側in能勢を開催しよう!と約束しました。
次回”生きる力”の問いに対して、新しい答えを見つけ、またお話したいですね。

 

自身の興味や、内なる思いに素直に自然体に行動し続けるお2人の姿が本当に素敵でした。アトリエトナリ、落ち着いたらぜひ泊まりに行きたいですね!

【小早川 勝平/辻本 真美】
アトリエトナリ/ヨークトル舎
▼小早川勝平
1983年 大阪府豊能郡能勢町出身
2008年 JICA 青年海外協力隊に参加する。フィジー共和国で自動車整備士として2年間過ごす。
2011年 地雷処理機を製作販売する企業に就職する。アフリカのモザンビークとアンゴラで活動する。
2014年 能勢に戻り民泊の準備と栗園の再生を始める。
2020年 民泊「アトリエトナリ」オープンする。
▼辻本真美(本名:小早川)
1987年 能勢町出身。
好きな物は世界の童話や古い児童文学。
デザイン学校では絵本を専攻。卒業後大阪市内や京都で暮らしながら個展を中心に活動。
2017年 勝平との結婚を機に能勢町へ戻る。古民家に住みながらリノベーションをする。
現在、イラストの仕事をしつつ、民泊「アトリエトナリ」を陰で操っている。
https://www.instagram.com/atelier_tonari
https://www.jokullsha.com/