2024年4月1日のハイパー縁側@中津は徳山 チカさんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「人・街・物への愛 “好きをとことん楽しむ暮らし”」
フリーランスのライターになって1年ほどの徳山さん。数ヶ月前、梅田で取材予定がありましたが、先方の都合上キャンセルに。急に時間が空いたので、スパイスカレー好きの徳山さんは、中津を訪れました。スパイスカレーを堪能後、「コーヒーが飲みたいなぁ」と、『珈琲人』にフラッと寄ると、同じタイミングで入店したミエコさんと意気投合。ミエコさん伝いに、マルヤマさんと知り合いになり、「ハイパー縁側っていうのがあるんだけど、でてみない?」と誘われ、「でまーす」と二つ返事で、本日のご登壇となりました。

そんなコミュニケーション能力に長け、軽快なフットワークの徳山さんは、ライターになる前は、ウエディングプランナー・住宅の営業・スパイスカレー店での接客業など、様々な仕事を経験してきました。大学時代に友人から悩み相談を受けた際、メールで応えると「言葉にしてくれて、気持ちが楽になった」と、感謝された出来事がとても嬉しかったそう。徳山さんにとって、全ての仕事の軸になっている、と語ります。

人と深く関わって、何かを創っていく作業に興味があったので、大学卒業後はウエディングプランナーに。3年働く中で、お客様の事を知り、お客様が喜ぶ提案をして、一緒に創っていくという事が何より楽しかった、と振り返ります。担当した新婦の方とは、親友とよべるほど親しい関係にもなったそう。次に携わった住宅営業の仕事に関しても、家族の一大イベントに立ち会える仕事に、喜びを感じていた、と言います。

ライターの職に就いたのは、コロナ禍がきっかけ。子育てをしながら、自分の好きな事で人の役に立つ仕事はないか、と模索している中で巡り会えました。もともと、書く事や人の話を聞いて言葉にする事は好きだった徳山さん。挑戦してみると「続けられそう」と感じ、現在はフリーランスに転身。とてもやりがいを感じている、と言います。
徳山さんは、いくつかの編集部に所属しながら、活動中。取材して記事を書いたり、コピーライティングをしたり、キーワードを使って商品がトップに上がるような記事の依頼も。まだまだ駆け出しライターと話す徳山さんは、今は頂く仕事をどんなジャンルでも受けている、と言います。キャリア・エンタメ・メンタルヘルスなど、幅広い分野に渡ります。

徳山さんは、記事を書く時に3つの大きな目的をもっています。読者のヒントになる記事を書く事。そのメディアが盛り上がる記事を書く事。その人や商品などが、広く愛される記事を書く事。そして、3つの目的以外に意識している事は、誰にでも書けるようなまとめ記事は、書かないという事。
その為に、徹底的にリサーチをして取材に臨みます。本を出版している方なら本を読み、SNSもなるべく遡ってチェック。時間に限りがある中で、できるだけ深く広く調べます。取材は、リサーチが9割なんだとか。隈なくリサーチをして、その人を深く知った上で仮説をたてながら質問を考え、インタビューを進めていく、と言います。

「人が好き」「いいとこを見つけるのが好き」と語る徳山さんは、取材を受ける人の潜在的に大切にしているものを、1つでも引き出したい、と考えています。「自分って、そうかもしれない」「それが言いたかった」と言ってくれると、「よし!」とガッツポーズ。読者に気づきを与えるだけでなく、取材を受けた人にとっても、気づきがあったという時間を過ごしてほしい、と願っています。
徳山さんは、インタビューを通して、読者よりも自分自身の方が、たくさんのヒントをもらっている、と感じています。知らない人に出会えるし、好きな事が増えていく。インタビューがきっかけで、お気に入りの店ができて、通いつめる事も。いい意味で“公私混同”と、笑います。

好きが増えていくというのは、2人の息子さんたちも。4才の息子さんは、将来、レーサー・車の整備士・医者にもなってみたい、と話します。他にも、ピアノも弾きたいし、母ちゃんみたいに取材もしたい、と夢だらけ。また、関西万博に興味を持つ彼は、調べていくうちに岡本太郎に辿り着き、「マイナスに飛び込め」と名言も発するそう。そんな好奇心旺盛なお子さんの興味を一緒に深堀りするのが楽しい、と徳山さんは言います。
一方で、徳山さん自身の好きも大事にしたい。ラジオや音楽を聴く事が大好きで、月に1回はライブで英気を養う事は、譲れないルーティーン。お子さんの好きと、徳山さんの好き、両方を重んじながら、対等な立場でお互いの好きを楽しみながらくらしている、と語ります。

“ストーリーフェチ”
徳山さんは、洋服を買いに行って、どんなデザイナーさんがどんな想いで作ったのかなどの裏話を聞くと、トキメキが止まらない、と言います。つまり、“ストーリーフェチ”。音楽の歌詞や品質表示なんかも、ずっと読んでしまう、と笑います。中津ブルワリーのクラフトビールは、まさにストーリーの塊。背後に並べられたクラフトビールの瓶を眺めながら、「だから、クラフトビールが好きなんです」と、笑顔で話します。
生産者の想いが、消費者にしっかり届くような仕事に、もっと携わっていきたい、と考えています。どんな人が、どんな想いを持って作っているのか。買う人が、商品と一緒に、そんな想いも楽しんでもらえるような記事を書いていきたい、と語ります。

「人に恵まれている」と、何度も口にする徳山さんの周りには、自然と魅力的で面白い人々の輪が。ついさっき中津のまちで出会った方から、ウェディングプランナー時代の同期の方など、たくさんの方々が集います。大学時代の友人は、人に寄り添ったり、思いやったりという人柄が全然変わってないと感じた、と感想。当時はウェディングプランナーとして発揮されていたのが、今はライターとして発揮されていて、これからもずっと応援している、と熱いエールを送って下さいました。

「へぇ」「そうなんや」と終始、興味深く中津のまちの話に耳を傾けながら、自身の想いを丁寧に語る姿が印象的でした。現在、徳山さんは自主企画として、面白い方を取材して記事にしています。今回、中津のまちで出会った方々も、バラエティー豊かで面白い取材対象の方ばかり、と目を輝かせる徳山さん。
これからも、読んだ人も、取材を受けた人も、心が軽くなる記事を書いていきたい、と意気込みます。また、最近カメラを購入したので、撮影も取材も記事も、全てをこなせるライターを目指す、と公言。
ますます活躍の幅が広がり、自然体に好きを楽しむ生き方の徳山さんが紡ぐ言葉に、勇気づけられたり、気づきを得たりする人々が、増えていきそうですね!

