2023年11月18日のハイパー縁側@私市は、北川元昭さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「ご当地キャライベント開催により、“かたの”を知っていただく」

私市駅をバックに、ご当地キャラが並んで鎮座。下からのライトに照らされ、ややおどろおどろしい風景ですが、たくさんのファンの方々が駆けつけ、拍手や笑い声があふれる和やかな雰囲気です。
そのキャラクターたちの横に座るのが、本日のゲスト北川さん。横並びになると、北川さんも「ゆるキャラ?」という声に、「フォルムの丸い方が、人気がでますよね」と、笑顔で応えます。

そんな北川さんは、尼崎市ご出身。現在も神戸に住んでいて、毎日往復100㎞の道のりを、交野まで通勤しています。北川さんは20年ほど前、大阪市内の和紙屋さんの仕事に関わり、短冊を作っていました。
「七夕の元祖は、大阪の交野らしい」という噂を聞き、交野の機物神社を訪れます。そこで、当時の観光協会の会長と知り合い、交野の観光に携わり始めることに。現在は、『交野市星のまち観光協会』の会長を務め5年目になる、と言います。

北川さんとコンビを組んで12年になるのが、観光協会の観光PRキャラクター、星のあまん。交野市の七夕まつりの賑やかさにつられて、天の川から落っこちてきた宇宙怪獣で、黄色の体とツノは「星」、水色のしっぽの先は「天の川」を表現しています。

交野市民の優しさに触れ、交野に住むようになり、「星の天満(あまん)」(逆に読むと「満天の星」)という名前もつけてもらいました。普段は、観光協会の奥の部屋で寝ているか、絵を描いて静かに過ごしていますが、イベント時には、はっちゃけるんだとか。

そんなあまんと一緒に、難読漢字である「交野(かたの)」のまちを、どうしたら知ってもらえるか、と考えていた北川さん。まずは、名産である交野の『神宮寺ぶどう』の認知度を上げ、まちを知ってもらう為に「ぶどうマルシェ」を企画。その時に新潟や伊賀など、全国から10体のご当地キャラを呼び、ぶどうを購入して郵便局へ行き発送してもらうというイベントを始めました。

その後、せっかく全国からご当地キャラが集まるんだったら、と「キャラクターパーティー」を開催します。さらに、キャラクターの歌があればもっと地元が盛り上がると考え、シンガーソングライターの方に、曲作りを依頼。そして、『満点の星』という曲ができあがり、「キャラクターパーティー」の場で発表すると、3千人ものファンが集まり、盛り上がったそう。

次に、北川さんは交野の様々な場所を見てもらおうと、『あまんのお散歩』を発案。あまんはもちろん、ゲストキャラにも参加してもらい、マイクロバスを貸し切って交野の魅力ある場所を巡ります。地元の酒造を見学して試飲をしたり、機物神社や磐船神社を参拝したり、季節によっては、いちご狩りや芋掘りなどを楽しみます。他にも、プラネタリウムで『満点の星』のライブ鑑賞をしたり、盛りだくさんの内容です。

本日も、大阪府門真市からフェネックキツネのジェイキーと、ふぐのズボラちゃんが盛り上げに来てくれました。おしゃぶりをしているので話はしないのかな、と思いきや、お喋り大好きなジェイキー。ゲストキャラの役割として、ご当地キャラを目当てに来てくれた方々に、交野のまちを知ってもらい、リピーターになるきっかけ作りができたら嬉しい、と力強く語ります。

枚方でのイベントを終え、駆けつけてくれたみっけちゃんは、枚方市くずはの交野天神社で拾われた三毛猫。恩返しに巫女のお手伝いをしているので、可愛い巫女姿。バレエが得意で、手話も勉強中なんだとか。そんなみっけちゃんも『あまんのお散歩』に参加したり、10年以上、交野を盛り上げてくれています。

北川さんは、みっけちゃんの所作ふるまいを見て、ご当地キャラとはこういう活動をするんだ、と勉強してきたと話します。酷暑に関わらず、子どもたち向けの抽選会のプレゼンターを引き受けたり、イベントも何もない時に、地域の商店街のパン屋さんに買い物に行ったり、地域が元気になる活動を続けています。また、被災地の訪問やボランティア活動にも積極的です。

みっけちゃんは、交野について、水が美味しく自然が豊かなまちで、枚方と同じく七夕の史跡が多いのも魅力だ、と筆談で教えてくれました。枚方は、たくさんの方がそれぞれで活動していても、なかなか繋がれない。交野は、横の繋がりが強い事も素晴らしい、と話します。

ジェイキーは、交野は市民大学の活動が活発で、市民が想いを込めてクラフトビールを造ったり、“物語のあるものづくり”がされている事がとても特別な事だ、と感じています。また、横の繋がりが強固だと、新参者を排除する傾向があるけれど、交野のように横の繋がりが強いにも関わらず、新参者を受け入れる文化があるまちは、なかなかない、と交野のまちを絶賛します。

“よそ者だから、出来ることがある!”

北川さんも、交野出身者ではありません。最初は、自身をよそ者と感じ、遠慮する事もあったそう。しかし、“よそ者だから、できる事がある”と、いう考えで取り組み、交野を盛り上げてきました。それを受け入れてくれたのもありがたい、と語ります。北川さんは、“よそから見た交野の良さは、何なのか”という第3者の視点で、交野の良さを見つめ続けています。

のんびりほっこりしている交野のまちの雰囲気を生かしながら、新しい事にも挑戦したい、と話すあまん。北川さんも、“静かなる賑わい”を目指していて、交野らしい“自然とまちが寄り添った賑わい”を、キサイチゲートから発信していきたい、と語ります。

日本は、「ありとあらゆるものに神様が宿っている」という考えが根付いています。この考えは世界的に見て、とても珍しいそう。「八百万の神」の存在が、ご当地キャラが多く活躍する日本の文化に繋がっている、と言います。

そんな日本の歴史や風土にマッチしている切り口で、交野のまちを盛り上げ続けてきた北川さん。交野のまちの良さはもちろん、キャラクターそれぞれの個性を理解し、尊重しながら、優しい眼差しで活動している姿が印象的でした!
北川さんと、ご当地キャラと、ファンの方々が創り出す、楽しげで暖かい雰囲気。たくさんのファンが集い、“かたの”の魅力に触れる機会になっています!

2025年7月のあまんの20才の誕生祭には、七夕にゆかりのある神社で、短冊を奉納するイベントを予定しているのだとか。「あまん誕生記念のクラフトビール」を造ろう!と、新しいアイデアも加わり、交野らしさ満載の誕生祭になりそうで、今から心が踊ります!

【北川 元昭(きたがわ もとあき)】
株式会社北摂加工北大阪 代表取締役 / 交野市星のまち観光協会 会長
兵庫県尼崎市出身。
大阪芸術大学工芸科を卒業後、手芸毛糸のメーカーで営業・企画を経験後、義父の精密機器検査機器製造業へ転職。
コンピュータリテラシーに関するインストラクター取得。
Windows95発売と同時にHPプランナー・データベース制作等を担当、奈良県吉野郡「Yoshino-WEB」の起ち上げに参加、野迫川村「天空の国」のキャッチコピー、オーストリアとの姉妹交流等を企画・提案・実施。
1998年「デジタルデバイド」セミナー講演、小規模ネットワーク、WEB提案をおこなう“Craft Arts InterNet Club”独立起業後、2008年多目的作業受託会社として、株式会社北摂加工北大阪兄弟3名で設立、衣料雑貨ロジスティック部門・呉服加工部門・デジタル部門で運営中。
趣味は旅行・写真撮影・スポーツ観戦。
交野市星のまち観光協会