2024年11月24日のハイパー縁側@三輪は下出 貴史さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「まちづくり〜チャレンジしたい人が輝ける舞台づくり〜」
太鼓打さんに続いて、2人目のゲストの下出さんは、桜井市の市街地ご出身。太鼓打さんが紹介して下さった和歌にちなんで、「幾久幾久!」の発声で笑顔で乾杯し、スタートです!

下出さんは、就職を機に上京。広告やマスコミ関係の仕事に携わってきました。エリアマーケティングの仕事では、食品会社や鉄道会社を担当。クライアントの意向に沿ったプランニングを進めてきました。その中で、「もう少し、自己表現がしたい」という想いを抱くようになってきた、と言います。
また、東京や京都で10年ほど働いてきましたが、地元の奈良に関わる仕事はありませんでした。「地元だと、どんな出会いがあり、どんな仕事ができるだろう」と、妄想が膨らみ始めた下出さん。「地域に根ざした、まちづくりに携わりたい」と、30代前半の頃に帰郷を決意します。

奈良に戻ってからは今までの経験を生かし、広告制作などをメインに仕事を続けてきました。また、行政関係のアートイベントの企画やPTA活動など、幅広い活動を重ねます。地元での生活が10年ほど経った時、大神神社の参道整備プロジェクトが策定されます。
すると、行政からまちづくり会社の発足に尽力してほしい、と下出さんに依頼があり、2020年「三輪まちづくり法人(株)リアライズ」を設立。「野望とか野心はなく、自然の流れでした」と、振り返ります。

ただ、設立時はコロナ禍だったので、しばらく休止状態だったそう。その後、復活すると同時期に「さこすて」の活動がスタート。分散するのではなく、みんなで進めていこう、と活動が活発化していきます。
下出さんのまちづくりのイメージは、「何かを始めたい人の器づくり」。個別に想いを持っている方々が、広く認知されたり、コラボレーションできたらいい、と考えています。

そこで、下出さんは三輪を舞台に、積極的にまちづくりに関わる方の活動を紹介する『三輪未来ランナー』と題した動画を配信しています。本業で培ってきた経験を生かし、それぞれの個性を引き出せるように工夫し、こだわって制作しているそう。テイク10にも、20にもなる時もあるのだとか。
インタビューする事で、今まで言葉になっていなかった潜在意識のようなものが言語化されていく。それが、新しい着想に繋がるのではないかと感じています。その方自身が認知される事と合わせて、これから何かをしたい方の地域理解にもなって欲しい、と願っています。

“前に進むための原動力”
まちづくりは、ハード面からもソフト面からも考える事ができる。また、経済的な仕組みづくりに重点を置くという考え方もある。どこからアプローチするにしても、必要なのは前に進むための“原動力”だ、と下出さんは言い切ります。正しいとされる事やセオリーだけでは進めないし、続かない。前に進む“原動力”を持つために大切なのは、“着想”や“種”を見つける事で、そのヒントは“地域性”にある、と言います。
三輪は、日本の「国づくり」発祥の地と言っても過言ではなく、様々な「初まりの地」です。と同時に、名もなき人々が積み重ねてきた歴史もある。先人が紡いできた歴史を、丁寧に紐解く事で“新しい着想”が生まれ、“原動力”に繋がると下出さんは考えています。
「初まりの地」という事は、言い換えれば、新しい事を1番にしたという事。三輪はとても「イノベーティブな場所」だ、と下出さんは捉えています。新しい取り組みを始める事は、怖いし、ハレーションが起きるかもしれない。
しかし、「何かを始めたい」と希望をもつ人が、このエネルギーのある場所で孤立するのではなく、支えてくれる人に囲まれて、新しい事にトライできるような器をつくっていきたい、と力強く語ります。

今回、三輪駅を「つば市」の主要拠点の1つとして開催しました。駅は、公共インフラの交通機能だけでなく、「コミュニティ・ステーション」としての役割も果たす事ができる。地域のコミュニティを育む意味合いだけでなく、遠方から歴史を学んで来られる方や、若い方々に向けても分かりやすい情報を提供し、ふれあいが生じる風景を目指しています。
本日の「つば市」には、他地域から出店されている方も多く、それぞれが商品への想いを持ち出店する事で、コミュニケーションが生まれています。商品と共に、「地域の想い」を三輪に持って来てくれている事を、嬉しく楽しく感じている下出さん。地域交流が数珠つなぎで広がっていき、新しい展開が期待できる、と笑顔で語ります。

これからも、計画は立てつつ決め固めずに隙間を設けていく。面白い事を吸収する幅をもたせながら、継続していきたい。そして、回を重ねるごとに新しい取り組みをのせ、進化が生じる器づくりのお手伝いをしていきたい、と下出さんは考えています。
間違いなく、化学反応が起きるだろう、と力強く語って下さいました!

地元を離れ、地元の魅力に気づき、まちへの愛情を持ち続ける下出さん。挑戦したい人、表現したい人の気持ちに寄り添い、柔軟で自然体な下出さんの空気感が、とても印象的でした!
エネルギー溢れるイノベーティブな三輪は、ますます進化していきます!


三輪まちづくり法人 株式会社リアライズ 代表取締役
奈良県桜井市生まれ。
マスメディアや広告代理店で営業職として食品メーカーや鉄道会社などを担当。イベント企画のプランニング業務などを経験した後、帰郷して企画会社を設立する。 教育機関のマーケティング支援、自治体の広報業務などに従事するとともに、アートイベントのプロデュースなども手掛ける。
2020年9月に三輪まちづくり法人(株)リアライズを設立。日本の国づくりの始まりの地である桜井市を舞台に、これからの時代の地域社会のあり方や、地域内外のプレーヤーが主体的にまちづくりに参加しやすい仕組みづくりについて探求を続けている。
三輪まちづくり法人 株式会社リアライズ
三輪未来ランナー
Connected by さこすて
「さこすて(Sustainable Community Station)」は、ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社が取り組む、地域と共生しながら持続可能な駅づくりを進めるプロジェクトで、駅施設や駅前広場・運営手法・プレイヤー発掘などを見据えた検討や実証実験などを行っています。「さこすてみわ」は、三輪駅を舞台として、駅まちづくりする取り組みです。