2024年7月17日のハイパー縁側@中津は宮崎 雅史さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「バーチャルからリアルへ“東紀州みかんを広める”」

今年3月、「みかん屋さん」をオープンした宮崎さん。奈良に店舗を構え、三重県熊野市の東紀州みかんの直売を行っています。また、様々なイベントに出店し、おいしいみかんをたくさんの方に届ける為に、精力的に活動中。本日も、レアなみかんを持参して下さり、ハイパー縁側終了後には、「ヒロセバー」とコラボし、「みかんバー」を開催予定です。

宮崎さんは、大阪の堺で生まれ、吹田で育ち、地元の大阪の大学に進学。就職を考える時に、「ベンチャーって、かっこいい」と、IT系のベンチャー企業を希望しました。しかし、IT系には縁がなく、当時、急成長を見せ始めていた不動産ベンチャー企業を目指す事に。
最終的には、ベンチャーではなく、大手マンションデベロッパーに就職を決め、新築分譲マンションの営業に7年半携わりました。

7年以上勤めていましたが、就職して数年経った頃には、「やっぱり、IT関係で起業したい」と考え始めていた、と言います。就活時に、様々なベンチャー企業の話をきいたり、調べていた経験がある宮崎さんは、ITの波が、年を追うごとに押し寄せている感覚を覚えていました。

ITが、どのように世の中を変えているのか。それを知るには、自分がIT業界に飛び込めばいいと考え、転職を決断します。そこで、まず大学時代の友人が起業した会社に参画しました。会社人では経験できない、意思決定を下した瞬間に動けるという事を目の当たりにして、とても感動したそう。

そんな中、宮崎さんは、VR(バーチャルリアリティー)の存在を知り、興味を持ちます。2016年は、「VR元年」と言われ、世の中的にも盛り上がりを見せていました。宮崎さんは、文系出身という事もあり、システム開発などをするには、知識が足りないと感じていましたが、この領域なら、周りも0からのスタート。
自分も、0から始めてやっていけるかもしれない。可能性を感じた宮崎さんは、その年に会社を設立。360度映像コンテンツプロデュース事業をスタートさせました。

初めての挑戦で、苦労しながらも何とか軌道に乗り始めた頃、コロナ禍に突入してしまいます。そこで、優秀なエンジニアの手を借り、製造業向けにリモートで工場監査をするシステムを開発し、新規事業にも力を入れていましたが、継続する事が難しくなり断念する事に。

現在は、システム開発事業と、360度動画コンテンツ制作事業の、2つの事業を軸に活動しています。コンテンツ制作事業は、日本を飛び回り、素晴らしい景色や、観光地などを撮影します。クライアントは、自治体や旅行会社などで、観光PRの為に制作する事が多いそう。

撮影方法は、現地に足を運び、カメラで360度撮影するというアナログな方法なので、「バーチャルって言ってますが、半分リアルです」と、宮崎さんは説明します。動画撮影の為に、宮島、上高地、五島列島など、全国津々浦々、様々な場所を訪れました。

撮影を通じて、宮崎さんは、今まで、日本の良さを何も知らなかった事を実感した、と言います。それぞれの土地の文化、人、食べ物、寺社仏閣に触れ、興味が掻き立てられました。その中でも、やはり自然の景観に感動した、と語ります。

“リアルじゃないと出来ない事がある”

たしかに、通常動画より、360度動画の方が、感動は伝わりやすい。しかし、現地で感じる以上の感動体験はない、と宮崎さんは言い切ります。気温、風、音、匂いなど、動画で全ては感じられない。現地では、五感を研ぎ澄まし感じるものに加えて、“第六感”のようなものを感じる事ができる。そうでなければ、スピリチュアルな体験にはならないのではないか。「やっぱり、リアルじゃないと出来ない事がある」という気づきを得た、と宮崎さんは語ります。

デジタルの仕事をする中で、リアルに対する想いが蓄積されていた宮崎さん。「もっとアナログな事をしたい」という想いを募らせていました。そんな時に、以前から撮影を通じて知り合いだった、三重県熊野市のみかん農家の方の影響で、みかん直売に関心も持つように。仕入れルートや、生鮮食品を扱うという難しさなどはあるけれど、それらをクリアすると、収入面でも魅力的。奈良には、直売文化が根付いていて、おいしいものを求めているお客さんが一定数いて、ポテンシャルもある。また、みかん直売の成功事例もある。

「今後、何をして生きていくのが面白いのか」を考えて、バーチャルな仕事をしながら、リアルな仕事へと飛び込む事を決断しました。現在は、みかんのシーズンではないので、店は休業中だそう。3月にオープンし、秋からのみかんのハイシーズンをまだ経験していません。食べた人全員が、「うま!」となるみかんを販売している、と笑顔で話す宮崎さん。これから、おいしいみかんを、たくさんの方に届けるのが楽しみ、と語ります。

宮崎さんは、以前のオフィスの契約更新のタイミングで、去年、西田ビルのコワーキンへ移転しました。実は、10年前から中津に住んでいるので、中津は「第2の故郷」と、言います。まちの変貌も見守ってきました。もちろん「中津ブルワリー」ができた事も、「ハイパー縁側」の存在も、オフィス移転前から知っていたそう。

「何かおしゃれな場所で、トークイベントしてるで」と、遠巻きに見ていた、と笑います。長らく中津に住んでいますが、まちの人々と関わる機会は少なかったので、これから中津の皆さんにも、おいしいみかんを食べてもらいたい、と笑顔で語って下さいました!

デジタルとアナログ、両方の魅力を知り尽くした宮崎さん。両方を軽やかに行き交う事で、発見や繋がりを生み、自身の想いや気づきを大事に、ワクワクする挑戦を続けていく姿が印象的でした!
これから、新たな展開も思案中との事なので、さらなる活躍も楽しみですね!

【宮崎 雅史】
株式会社floorvr 代表取締役 / みかん屋さん 店主
新卒でマンションデベロッパーに就職後、自身での起業を志すようになる。
友人の会社の立ち上げに参画した後、2016年に起業し、株式会社floorvrを設立。360度映像の領域において、コンテンツ制作をメイン事業としつつ、自社システムの開発にも挑み事業化。
360度動画の撮影に訪れた三重県熊野市で授かった御縁から、東紀州みかんの直売所を2024年3月に奈良市内にオープン。
時代に逆行し、デジタルからアナログに舵を切る。青果販売、店舗運営の面白さと難しさを体感しながら、東紀州のみかんの美味しさを世広めるべく奮闘中。
株式会社floorvr
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