2026年6月17日のハイパー縁側@中山台は、清水 花奈さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「ワクワクに飛び込む “ゼロから広げるホットビール文化”」
清水さんは、兵庫県伊丹市にあるステンレス加工の製造業・精和工業所で自社商品事業部に所属し、ステンレスにまつわる自社製品の開発や販売に携わっています。異業種から転職し、営業部に配属された後、新規事業の立ち上げに参画。ホットビール文化を広げるため、多くのイベント出店をこなしたり、海外での法人設立を成し遂げるなど、新しい挑戦を続けています。
清水さんのキャリアは、製造業とは全く異なる業界からスタートしました。新卒で損害保険会社に入社。住宅ローンや自動車ローンを扱う部署で営業などを担当しました。個人情報の取り扱いや事務仕事の取り組み方など、社会人としての基礎をしっかりと学べた、と振り返ります。しかし、部署異動があり、直接お客様と会話したり提案するという業務から、100%電話越しでの対応する業務になります。朝から夕方まで、オフィスビルの中でデスクに座ってインカム越しに相手と話し続ける日々。実際にお客様の表情を見ながら仕事がしたい、という想いが募っていたそう。
そんなモヤモヤとした思いを抱えながら足を運んだ転職フェアの会場で、現在の職場である精和工業所と運命的な出会いを果たします。ブースで対応してくれた女性の営業担当の方が、とても気さくで親しみやすかったそう。実家同士が近いということもあり、すっかり意気投合したのだとか。縁を感じた清水さんは、未経験の製造業の会社への入社を決意します。
入社後、まずは営業部に配属されました。既存のお客様から「こういう部品を作ってほしい」というOEMの依頼を受け、図面通り正確にステンレスを加工して納品するというものでした。そこで数年の経験を積んだ後、社内で新たに自社商品事業部という部署が立ち上がることになり、清水さんは異動となります。これまで図面通りに正確に作るOEMが主流だった会社にとって、自社でゼロから商品を企画し、お客様に販売していくことは、とても大きな挑戦でした。
自社商品事業部の最初の仕事は、ホットビール文化を広め、ホットビールサーバーを販売していくことでした。同じ伊丹市内でベルギービールの輸入を手がける酒造会社の社長から、「ベルギービールを湯煎で温めて提供しているのだけれど、もっと簡単に温かいビールを提供できるサーバーを作れないだろうか?」と相談が舞い込んだことで、技術や経験を生かし、すでにホットビールサーバーを開発していました。
ただ、そのビールサーバーを「どうやって世に広めて売っていくか」は、全くの未知数。ビールと言えばキンキンに冷えていることがセオリーである日本で、何から始めていいか分からなかった清水さんは、「とにかく、色々な人に会って話を聞こう!」と考えます。ホットビールに関係がありそうな飲食業界の人はもちろん、一見まったく関係のなさそうな異業種の人にまで、自ら足を運んでいきました。「まずは動いてみる」「分からなければ聞いてみる」という清水さんらのフットワークの軽さが、少しずつ道を切り拓いていきました。
動き続けていた清水さんのもとに、紹介の紹介で「ホットビールのイベントをやってみないか」と、声がかかります。初めてのイベントは、焼きたてピザを販売するキッチンカーとのコラボレーションでした。「テントや机はどこでどんなものを買えばいいのか」「どのようにディスプレイすればいいのか」、全ては手探り状態。何とかイベントをやり切ったものの、売上は目標に及びませんでした。
しかし、通りかかった観光客の方が、「ホットビールって何?」と不思議そうに立ち止まってくれ、お客様と交流ができたことに大きな手応えを感じた、と清水さんは語ります。このポジティブな実体験が自信となり、人とのつながりができ、様々なイベントから声がかかるように。ブースの見せ方や運営も徐々に洗練されていき、ホットビールをしっかりアピールできるようになっていきました。
そんな清水さんの挑戦は、日本国内だけに留まりません。社内の研修旅行で訪れたことをきっかけに、人や気候もいいベトナムの魅力に惹かれ、「ここで自社商品を売りたい!」と考えました。ホットビールサーバーは、暑いベトナムには向いていない。フォーを日常的に食べる国民性に目をつけ、国内で販売しているだしサーバーを、フォーを作る時に使用してはどうか、と提案します。
しかし、フォーの店を回り営業するも、「わざわざサーバーはいらない」と一蹴されてしまいます。そこで落ち込むことなく現地の声に耳を傾けていた清水さん。「ベトナム人は日本のうどんの出汁の作り方が分からないから、うどんの出汁を温めて出せるサーバーなら売れるはず」と、率直なアドバイスをもらいました。その声に即座に反応し、方向転換を図ります。2023年に現地で法人を設立し、翌年からうどん屋の運営を始めます。現場のリアルな声を取り入れ、対話や体験を大切に、求められるものを柔軟に形にしてきました。
“未知を楽しむ探究心”
慎重派と言いつつ、「行ったことないところに行ったり、したことないことをするのが好き」「同じことをしているよりも、新しいことをしていく方が好き」と、語る清水さん。
「チャレンジが楽しい」と、感じることができるようになったのは、高校2年生の春に英会話教室の先生と行ったアメリカ旅行の経験から、と思い返します。そこで、価値観も文化も、何もかも違う環境に触れる楽しさを味わいました。また、大学生になってからもアメリカでのインターシップにチャレンジ。シアトルの高校で日本語クラスのサポートをしました。茶道部だった清水さんは、お茶セットを持参しお点前を披露したり、みんなでお抹茶をのむという企画もしたそう。
清水さんは、楽しそうと思ったことはやりたい。逆に、ワクワクしたものでないと、なかなかうまくいかない、と打ち明けます。ただ、どんなことに向き合うにしても、楽しいことを見出す努力をしている。「どうすれば面白くなるか」「何が学べるか」その考えや姿勢が、新しい挑戦や新しい出会いを楽しむ今の清水さんをつくっているのかもしれません。
現在、自社商品事業部では、農業用の蓄熱材の製造と販売に取り組んでいます。農業は関わったことがない分野。清水さんは、新しい出会いや場所にワクワクしながら、ここでも「常に楽しさを見出していくこと」を心がけています。
自社商品事業部は、新しいものを生み出す部署なので、誰も正解が分かりません。部内の仲間たちは「まずやってみよう」という思考で、上司も「やってみたら」と背中を押してくれます。みんなで解決していこうという環境が「とてもありがたいです」と清水さんは笑顔で語ります。
初めてのイベントで売上が立たなくても、お客様との対話の中に喜びを見出したように、自らの視点ひとつで、世界をどこまでもポジティブに変換していく強さをもつ清水さん。この「未知を楽しむ力」「楽しさを見出す力」こそが、ホットビール文化という新しい価値を世に広げ、さらには国境を越えて、人々を惹きつける挑戦を成し遂げる原動力となっています!
これからも、ワクワクを大切にし、楽しみながら挑戦を続ける清水さんの活躍に期待が膨らみますね!
株式会社精和工業所 自社商品事業部
大学時代、多様な音楽や海外での異文化体験を通じて「新しい価値観や答えのない問いに挑むおもしろさ」に目覚める。
新卒で大手損害保険会社に入社し、住宅ローン審査や自動車保険の事故対応業務を経験。マイナスをゼロに戻す仕事の尊さを実感しつつも、より能動的に人と関わり、未来を創る働き方を求め、現在の製造業へ転職を果たす。
入社後は自社商品事業部の立ち上げに尽力しつつ、ベトナムでのマーケティング調査を自ら志願して道を切り拓き、現地での体験や対話から「本当に求められるもの」を肌で感じ取る。
現在は、自社商品の企画開発からSNSを活用した新規営業まで、前例のない領域へ果敢に挑戦。周囲を巻き込みながら、これまでにない新しい価値とつながりを泥臭く、かつ情熱的に生み出し続けている。
株式会社精和工業所
SEIWA HOT BEER
