2024年11月10日のハイパー縁側@夢キタ万博は、稲澤莉敬さんをゲストにお迎えしました!
テーマは 「父への恩返し〜世界に通用する選手になる〜」

今年は2日間にわたって開催された、夢キタ万博でのハイパー縁側。初日は、中学生の2人に夢を語っていただきました。
2日目、3人目のご登壇となる稲澤さんは、高校2年生。1年生の頃から、eスポーツの全国大会で優勝するなど活躍しています。日本代表選手になる夢を抱き、高いマインドでチームを牽引する稲澤さんに迫ります!

稲澤さんは小学生の頃から、家族と一緒にゲームを楽しんでいました。5年生の頃には、360度立体的で、頭で考えながらプレイするようなレベルの高いゲームに興味をもつようになったそう。
年齢制限をクリアするようになると、大会にも出場。地方大会を勝ち進み、全国大会に出場が決まれば、東京の会場でオフラインでプレイする事もあります。「オフラインでするゲームは、面白さが一味違う」と、稲澤さんは語ります。会場の観客は200人以上、配信を観ている人は2万人ほどなんだとか。注目度の高さを実感しています。

しかし、eスポーツの知名度は上がってはきているものの、ゲームは遊びという感覚の人も多い、と稲澤さんは指摘します。たしかに、他のスポーツのように筋トレなどは必要ありませんが、「4対4」や「5対5」で対戦する種目では、スポーツと同じようにチームワークが大事になってきます。
また、身体の健康と心の健康は繋がっている、と捉えている稲澤さん。朝起きてすぐにゲームを始めるのではなく、外に出て散歩をし、日光を浴びて朝食を摂ります。コンディションを整えてから、練習を開始するようにしています。

ゲームは朝でも夜でも、何時間でもする事が可能なので、課題は終わったのか、生活リズムは大丈夫か、と家族は不安になると思う。だからこそ結果を残す事が大事だ、と力強く語ります。稲澤さんは、中学生の時に高校で全国1位になるという約束をし、実践しました。
時間はかかりましたが、親を説得する事ができ、安心して応援してもらえるようになった、と言います。

稲澤さんのお父様は元・アスリート。大学野球で優勝してプロ野球のドラフト候補になったり、ボクシングで新人王に輝いた経歴の持ち主。そんなお父様は、兄弟の中でアスリートを目指す子がいてくれたら、と願っていました。全国大会で結果を残し、プロを目指し突き進む息子の姿を嬉しく思っています。
それを聞いた時、稲澤さんは「この道をやり切ろう!」という想いがわいて、努力する時間や集中力も増した、と言います。

また、3年前にお父様から、「毎日、数歩でも、半歩でもいいから前に進む事が大事」というアドバイスを受けました。地道に努力した経験は、仕事でも勉強でも、何にでも活きる。「今を頑張る事で、逆にプロ以外の道もある」と感じ、吹っ切れてた稲澤さん。視野が広くもてるようになったと同時に、親の偉大さを感じた、としみじみ語ります。
稲澤さんが、お父様の他に尊敬しているのが、大谷翔平選手。大谷選手が高校時代に活用していたマンダラチャートを稲澤さんも作成し、自己分析しています。1年前に、「人間関係」という項目を追加しました。当初、自分だけが強ければいいと考えていた、と打ち明けます。

“人間関係を、整える”
人間関係を整える事で、ゲームの実力が上がるわけではない。しかし、家族・クラスメイト・先輩・後輩を大切にする事で、自分がしたい事ができる環境が整ったり、自分の行動に説得力をもたす事ができる。そんな稲澤さんは、リーダーにも抜擢されました。身近な人をこれからも大切にしていきたい、と考えています。
チームビルディングをする時に意識する事は、モチベーションの差が生まれる事が当たり前と捉え、その上で同じ目標に向かって歩み続ける事。例えば、「オフラインでプレイがしたい」という目標が定まれば、全国ベスト4にはならないといけません。じゃあ、その為に何をするのか、をしっかり話し合います。
また、ゲームでもスポーツと同様にポジションがあります。それぞれの気持ちを汲みつつ、最適なポジションでプレイできるよう、会話や確認をしながら練習を進めています。

夏の全国大会では、惜しくも優勝を逃してしまいました。しかし、稲澤さんは「このチームで、負けてよかったです」とコメント。
このコメントに対し「人生何周目?!」と驚きの声があがっていたのだとか。負けたおかげで気づきがあり、改善点を5人で話し合いました。稲澤さんは、練習の質が上がった事を実感しています。

客観的で冷静な視点をもちながら、人の気持ちに寄り添い、言葉を選び丁寧に語る稲澤さん。最後に、家族への感謝の気持ちをまっすぐに伝える姿も印象的でした。今後、ゲームを通じてできた韓国人とシンガポール人の友人と、コミュニケーションをもっと取れるように、そして世界で戦えるように英会話をさらに磨き、韓国語も習得したい、と考えています。
稲澤さんが世界で活躍する日が待ち遠しいですね!


ルネサンス大阪高等学校 梅田eスポーツキャンパス
小学生の頃からe-sportsに触れ、高校に入学し、1年生のころからSTEAGE:0でVARORANT部門にてベスト4に進出、また、NASEFJAPAN全日本高校eスポーツ選手権では、同タイトルで見事全国優勝を成し遂げるなど活躍。
2年生になり、STEAGE:0では優勝候補チームを破りチームを準優勝に導いた。redbullの公式大会では、高校生ながら代表チームと対戦する目前まで勝ち進むなど1年生の頃から継続して活躍。
現在の目標は、日本の代表選手になるため、日々努力と研究を積み重ねている。
次の大会ではこれ以上の結果を見せることを目標に掲げている。
ルネサンス大阪高等学校
STAGE:0 2024年大会 大会結果