2020年9月3日のハイパー縁側は大阪の夜空を花火で彩る葛城煙火株式会社の営業マン・岩本雄二さんをゲストにお迎えしました。今回のテーマは「一瞬の輝きを一生の思い出に~文化を創る未来の花火~」。

青春をサッカーに捧げ、その後サッカー指導者の道を歩んでいた岩本さん。しかし結婚を機に、以前から社長から声をかけられていた葛城煙火株式会社に転職を決意しました。 葛城煙火株式会社は笑顔と感動を創ることを大事にする1950年創業の“花火”の会社です。
戦争で余った火薬を平和利用して生まれた花火。 そんな花火の歴史を大切にしながらも、これからの時代における花火の在り方を模索し発信するべく、斬新な取り組みに挑戦しておられます。

その一つが、火薬の平和利用である〈花火〉を通して世界を平和にしようとする「“HANABI” World Peace Project」です。 例えば、わずか25年前に紛争が終わったばかりのカンボジアでは、火薬に対して紛争の悲しい記憶が強く残っているうえ、紛争のせいで花火の技術も遅れていたり、めったに花火を見る機会もありません。
岩本さんたちは日本の花火技術を伝えるだけでなく、花火大会を通して平和や教育をカンボジアの子供たちに届けたいとプロジェクトに参加されました。

花火大会当日の動画には、夜空で弾ける花火に大歓声を上げる子供たちの姿が。 カンボジアの子供たちにとっては、もしかしたら一生に一度きりの花火かもしれません。
まさに「一瞬の輝きを一生の思い出に」なった瞬間だったのでしょう。 たくさんの方々の思いやカンボジアの空気感があいまって、現地でしか味わえない感動をもたらす、今までで最高の花火大会となったそうです。

“ピンチをチャンスに。”

コロナ禍で花火大会が軒並み中止になった2020年の夏。 「何もしなければ会社がつぶれてしまうかもしれない」という危機感にされらされながらも、誰も見たことのない、新しい時代の花火の姿を、異業種連携を通して実現させています。 特に、「大阪から世界に羽ばたく」をテーマにした、ダンス集団ELSQUADとコラボしたオンライン花火大会は圧巻でした。

それと同時に、「今年は本当に花火大会がないのか」と残念がる声や、励ましの言葉、「花火大会がないなら自分が花火を上げる」という声が葛城煙火さんに届きます。
個人のサプライズ花火やシークレット花火大会、全国一斉花火大会もメディアに大きく取り上げられました。 コロナはピンチではありましたが、改めて、花火が夏の風物詩として日本人の心の一部になっていることを実感する機会でもありました。

「嘘はつけない性格だ」と語る岩本さん。 人々に笑顔と感動を届け、世界に平和を届ける花火だからこそ、心からいいものと信じて人に勧められるそうです。
どれだけオンラインが発達しても、リアルでしか味わえない感動がある。
まだ誰も見たことのない感動を人々に伝えるべく、岩本さんは挑戦を続けられています。

【岩本雄二】
葛城煙火株式会社 2025年大阪関西万博・IR・インバウンド・マイス花火推進リーダー
1979年4月3日生まれ、大阪市住之江区出身、現在は大阪市天王寺区在住。
島根県立正大淞南高校へサッカー留学後、関西国際大学を卒業。
大学卒業後は大阪市内のサッカーチーム シューダイFSにて指導者を15年以上務めながら、並行して神戸でバーテンダーとして約15 年働く。
その後、従兄弟である葛城煙火社長の古賀に誘われて花火業界に入り、主に営業としてスタート。万博2025・海外事業・異業種連携事業のリーダーとして鋭意活動中。