11月5日のハイパー縁側は、谷野雅紀さんをゲストにお迎えしました。
テーマは「KNOW NO LIMIT~回復にも人生にも限界はない~」

谷野さんは中津に住み始めて5年。日本で唯一の脊髄損傷者専門の回復トレーニング施設を展開するJ-Workoutという会社を経営しています。事故や病気で脊髄を損傷した方が退院後にも回復のリハビリができ、再歩行できる環境づくりをしています。

会社を始めたのは谷野さんの師匠にあたる方。師匠が唯一の日本人として働いていた、アメリカの当時世界で唯一の脊髄損傷者専門の回復トレーニング施設で谷野さんも学びました。帰国し師匠と立ち上げたのがJ-Workoutであり、師匠が亡くなった後も谷野さん達が引き継いで現在に至ります。

脊髄損傷は現在も医学で治癒させることができないのが常識で、それは2500年前から変わっていません。ですが、谷野さんからすればやり方次第で十分回復するというのが常識です。正しいやり方で、誰もやったこともないほどの回数繰り返し続けることで歩行ができるようになっていきます。

そんなトレーニングでは、日々のモチベーション維持が大事です。半年に一度面談をし、コツコツ積み上げた成果を動画や資料でフィードバックし、目標設定をしています。無理だと言われていてもやれば一歩ずつよくなり、それが歩行のみならず仕事や復学などその先のチャレンジにもつながって当初の目標を超えていくことが多いそうです。

“回復にも人生にも限界はない”

谷野さんは「回復を信じる」という言葉は使いません。回復は絶対にあるもので「回復にも人生にも限界はない」ことが根本にある考え方です。お医者さんの決める「もう歩くことはできない」という限界ではなく自分が限界を決める、という思いがあれば結果的に限界を超えていけるそうです。トレーニングを積み重ねクライアントさんの夢を実現できた時が嬉しい、と笑顔を見せました。

2500年間変わらない常識を変えることが谷野さんのミッション。それを当たり前として谷野さんの娘さんが将来学ぶような社会をつくりたいと考えています。

日々クライアントさんと一歩一歩、夢の実現に向け寄り添い歩んでいくその姿勢に心動かされました。
【谷野 雅紀(たにの まさき)】
J-Workout株式会社 COO/CTO
医療従事者を目指すさなか、脊髄損傷を患った友人より、米国サンディエゴにある世界初の脊髄損傷回復施設「Project Walk」の存在を知り、衝撃を受ける。その後、友人がPWでトレーニングを開始するため、通訳および介助者として共に渡米する(2005年)。そこでトップトレーナーとして働いていた唯一の日本人、故・渡辺淳氏と出会い、友人の介助をしながら、渡辺氏のトレーニングアシスタントを務め、自身もPWで技術研鑽を積み、PW独自資格である「脊髄損傷回復スペシャリスト」を取得する。
2007年、渡辺氏とともに日本で初の脊髄損傷者専門トレーニングスタジオ「J-Workout株式会社」を設立する。
現在、東京(江東区木場)、大阪(北区神山町)、福岡(博多区豊)のスタジオに通うクライアント数は500名。申し込み希望者は後を絶たない。また、脊髄損傷に対する再生医療の研究が進むなか、医療機関や研究機関からの注目度も上がっている。経営者として、ヘッドトレーナーとして奔走する日々を送る。
▼J-Workout株式会社
現在、日本には10万人以上の脊損者がおり、毎年5,000人以上が新たに脊髄損傷を負っている。受傷原因としては、交通事故 (43.7%)、高所からの落下 (28.9%)、転倒 (12.9%)、打撲・下敷き (5.5%)、スポーツ (5.4%)と続く。最近は高齢化に伴い、転倒による高齢者の脊損が増加している。
脊髄損傷はある日突然家族、恋人、そして自分自身にも起こるもの。
「一生、歩くことはできないでしょう」と医師の宣告を受けたクライアントたちの、「再び歩く」という希望を叶えるため、J-WorkoutはKnow No Limitをミッションに掲げ独自のトレーニングを提供し続ける。
年に1度、同社が主催する歩行イベントでは、実際に再歩行できるようになったクライアント達がトレーニングの成果を披露し、毎年、会場は感動の渦に包まれる。
誰の身にも起こりうる脊髄損傷。リハビリに限界がある医療施設、否応なく送り出される日常。
J-Workoutは脊損者が生きるこの二つの「場」の真ん中に位置して、トレーニングを通じて脊損者たちの機能回復及び、人生の幸せをサポートし続ける。