2020年8月27日のハイパー縁側は、岡山県 笠岡諸島の人口60人の小さな島・六島の六島浜醸造所の主、井関竜平さんをゲストにお迎えしました。
テーマは、「麦酒で繋げたい人と地域」。

堺市出身で食品メーカーの営業マンをしていた井関さんは、隣に誰が住んでいるかわからない、仕事の人間関係もドライな都会の生活に疑問を感じていました。
そんな中、ご自身のルーツのある笠岡市六島で、地元の方々の温かい人柄に触れて六島の可能性を感じ、地域おこし協力隊として六島に移住されました。

 

海に潜り、魚をさばき、断水が1ヶ月続こうが動じない、そんなパワフルな地元の方々こそが六島の魅力。
しかし六島では、高齢化や人口減少が問題になっています。
そこで、県外に住みながらも定期的に六島に来る〈交流人口〉を増やし、その中で定住してくれる方が出てきてくれて、島の人口が増えたらいいな、との思いから、交流人口を増やすための様々な取り組みを始められます。

そんな中、元々水源の乏しい六島では麦の栽培が盛んだった、という話を耳にします。
真っ青な海を背景にした黄金の麦畑…
そして辺境にひっそりと立つクラフトビールの醸造所……
めっちゃおもろいやん!!

そう考えた井関さんは、2mの雑草がぼうぼうに生えた畑に手を入れ、麦畑を復活させ、麦を栽培し、クラフトビールを作り始めます。
生活の全てにストーリーがある六島。
井関さんは、すべてのビールに渾身のストーリーを込めています。
麦畑から作ったビールだから、「麦のはじまり」
たくさん頑張ってつくったから、「セゾン(=農家のごちそう)」

“飲んだら生産者に会いに行きたくなるものづくり”

井関さんが大事にされていることは「飲んだら生産者に会いに行きたくなる」ものづくりだそうです。
ビールづくりはあくまで自分の地域を自慢する手段で、このビールをきっかけに、六島に来れない方も六島に興味を持ってほしい。

そして、都会にしんどくなった人にとって、ありのままの自分をさらけ出せる場所として、六島という選択肢を増やすきっかけになればいいな、と考えておられます。
井関さんの魂のこもったビールを飲めば、井関さんに会いに行きたくなったり、いつの間にか、自分も六島のことを誰かに語ってしまうに違いありませんね。

【井関竜平】
六島浜醸造所 代表
2009年 醸造所の主、井関竜平は当時25歳の関西で働く会社員。自分の血のルーツである六島に惹かれ始める。
2016年 大阪から岡山県最南端の離島「六島ーむしまー」に移住。お年寄りのお話を聞くと、昔の島は麦畑が山のてっぺんまであったと聞き、麦畑を作ってみようと決心。同時に自分でビールを作れないかを模索。
2017年 岡山県の吉備土手下麦酒に弟子入り。同門である小豆島まめまめビールにて現場の勉強をさせてもらい、同年秋に、六島で収穫した麦で初めての麦酒を吉備土手下麦酒にて仕込む。そして笠岡、そして島で初めてのビアフェス「六島オクトーバーフェスト」を主宰。
2018年 吉備土手下麦酒にて修行を重ね、同年六島オクトーバーフェストの2回目を開催。
2019年 3月29日、発泡酒醸造免許交付
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